オフィスの休憩スペースや食堂に置いてある、湯呑みをセットしてボタンを押すとジョボジョボ……と出てくるおなじみの給茶機が、中国の大学生の手によって大きく進化しはじめた。湖北工業大学の学生たちが開発したスマート給茶機ロボットが、このほど開かれた第5回中国大学スマートロボットアイデアコンテストで注目を集め、特賞を獲得した。
同大学工業設計学院、機械工程学院の学生3人が教員の指導のもと、5か月かけて設計、開発した給茶機ロボットは白、黒、メタリックグレーを基調とした落ち着きのある色彩で、立方体のフォルムの上部にはお茶の注ぎ口が見える。パッと見た感じは通常の給茶機とあまり変わらない。しかし、中には複数種類の茶葉が搭載されており、ロボットが自動で茶葉の種類を識別し、選んだ茶葉に合った量、温度のお湯を注ぎ、それぞれ最適の時間で抽出して湯呑みに注ぐのだ。緑茶に烏龍茶にプーアル茶、とにかくお茶の種類が多い中国にあって、色々な種類の茶葉に対応できるというのはとても便利だろう。
通常はあらかじめプログラミングされた方法でそれぞれの茶葉にマッチした淹れ方をするが、濃いお茶が好きだったり、胃への負担を考えて薄めにしたりとお茶の好みは人それぞれだ。そこで開発チームは、アプリを通じて個人の好みによって温度、抽出時間をカスタマイズする機能も持たせた。しかも、ロボットには顔認証機能も搭載されており、淹れたお茶をオーダーした人の手元まで届けてくれるというのである。
さらにこのスマートなお茶くみロボットは、人びとの健康にまで気遣ってくれる。利用者が飲んだお茶の量と時刻を記録し、長時間お茶を飲んでいない時にはアプリを通じて「速やかに水分を補給しましょう」とアラートしてくれるのだ。自分の好みに合ったお茶を淹れて運んでくれ、なおかつ「そろそろお茶を飲みましょう」と呼びかけてくれるなんて、なんと愛おしい「お茶くみ係」だろうか。
中国伝統のお茶文化と現代の科学技術の融合をテーマに生まれたスマート給茶機ロボット。あくまでコンテストへの出展作品であり、実用化されるかどうかはわからないが、大きな可能性を感じさせる存在であることは間違いなさそうだ。
(出典:http://news.cnhubei.com/content/2022-09/27/content_15105474.html)
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