コロナ禍下で、なかなか海外旅行へ行けない中、上海でも移動時間をかけず、近郊で旅を楽しむ・プチトリップがジワジワとブームになっている。そこで、上海から気軽に行けるのに、これまであまり知られていなかった穴場スポットを紹介する。
上海から約50分、新幹線「常熟」駅
上海から高鉄(ガオティエ/新幹線)で約50分乗ると、「常熟(チャン・シュウ/じょうじゅく)」という駅がある。日本ではあまりなじみがない地名かもしれないが、「常熟」は、江蘇省蘇州市に属する県級市で、外資系企業が注目している経済技術開発区があり、日系企業も既に数百社以上進出している。「常熟」は、読んで字の如く、土地が肥沃で、作物が「常に(毎年)熟する」というところから名付けられたと言われ、物産が豊富なうえ、歴史も深く、風光明媚な景色が広がる、一度は訪れたい都市の一つでもある。
喧騒とはかけ離れた古鎮の日常(常熟・古里鎮)
さて、この「常熟」にひっそりと佇む古鎮(グー・ジェン/古い街並み)がある。それが「古里鎮(グーリィー・ジェン)」の「新古里」と呼ばれるエリア。
ゆったりと時間が流れる古鎮でプチスローライフのすすめ(常熟・古里鎮)
上海近郊には、水郷古鎮(水辺にある古い町)の人気観光地として名高い「周荘(しゅうそう)、「西塘(せいとう)」、「烏鎮(うーちん)」などがあり、白と黒の落ち着いた色合いの民家とゆっくりと水が流れる水路といった独特の風景に魅せられ、週末や連休には、多くの人出でにぎわう。
静かに佇む街並みを散策(常熟・古里鎮)
今回紹介する穴場スポット・「新古里」は、観光地としても定番化している水郷古鎮とは少し違い、まさに知る人ぞ知る隠れ家的な古鎮の一つ。良い意味で観光地として“成熟”していない、喧騒とはかけ離れた、静かで厳かな古き街並みを楽しめる。ノスタルジックな街並みが続き、レトロな景観を眺めながら、石畳の道を一人歩きしていると、タイムスリップしたかのような気持ちになる。
どこを撮影しても「映える」街並み(常熟・古里鎮)
また、この「新古里」には、「中国常熟鉄琴銅剣楼歴史文化街」もあり、歴史的且つ文化的に貴重な文化財・「鉄琴銅剣楼(清代の四大私家蔵書楼の一つ)」や「錦龍国楽傳習館(中国伝統音楽の伝承及び伝統文化を広く伝えることなどが目的)」のほか、「常熟中医薬博物館」など見どころも多く、地元の名物料理を提供するレストランもあるので、1日かけてゆったり過ごすことができる。
青空に白と黒の街並みが美しく映える(常熟・古里鎮)
そして「新古里」入口近くの広場は地元でも憩いの場にもなっていて、伝統楽器による演奏など文化的なイベントが不定期で開催される。タイミングが良ければ、時代劇ドラマ(古装劇)のワンシーンのような演奏風景を見ることができるかもしれない。
イベントも催される文化広場(常熟・古里鎮)
もちろん、まったりと過ごすには、欠かせない“カフェ”もある。コーヒー豆の香りがほのかに漂う「古鎮」でのコーヒータイムは、まさに格別の一言。
この「古里鎮」は上海からも近く、アクセスも便利。上海から少し足をのばすだけで、時間がゆるやかに流れる街並みに出会える。江南地方には、風情のある水郷古鎮が数多く点在しているが、にぎやかな古鎮とは少し違った風景を好む人には、ぜひ一度訪れてほしい、おすすめのスポットである。
古里古鎮:江蘇省蘇州市常熟市青墩塘路
新古里:江蘇省蘇州市常熟市銅剣北街1号
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