新型コロナウィルスの感染拡大が世界で勢いを増しているようだ。
こちら台湾でも3月半ばから始まった帰国ラッシュをきっかけに、海外から感染数が入ることで感染者数が一気に増えてしまっている。
また残念なことに市中感染が広がり始めているのも事実である。烏來や金山などの観光地に感染者が立ち寄っていたことが判明し念入りな消毒作業をしている。
今現在の感染者数は322人。そのうちの276人が海外渡航歴のある人だ。
どうかどうか、これ以上の感染が広がらないことを祈るばかりだ。
前回のブログでは海外帰国者の検疫の様子について紹介したが、今回はその後の自宅、またはホテルで隔離されている人たちに配られる「隔離包」についてご紹介しよう。
現在台湾で14日間の隔離義務にあたる人は外国人を含め4万4千人にものぼる。
住居地によって内容が異なるが、筆者に届いた隔離包がこちら。
隔離1日目にわざわざ家まで届けにきてくれた
中にはお湯で溶いて作る栄養を考えたハトムギなどのブレンドドリンクの粉、ほんのり甘いライスパフのようなお菓子、お湯を入れて作れるインスタントのドライカレー、気持ちを落ち着かせる為の本、ビタミン剤。
どれもこれも隔離生活中には有難い、便利で栄養価を考えたものばかりで、袋を開けたとたんに感謝の気持ちでいっぱいになった。
「台湾は本当に、どこまでも優しい国なんだろう。」今まで台湾に暮らしてきて、どれだけの人に世話になり、どれだけの優しさに触れてきただろうか、今までの思い出も一気に込み上げてきた。
中に入っていたドライカレーの中身 4食分入っていた
お湯を加えて少し待つと、このようになる
意外なスパイシーさに驚いた。隔離生活中にパンチの効いたものが食べたい時には本当に有難い。お湯を多めに入れればリゾットにすることもできる。
これらの食材は全てベジタリアンでも食べられるように、肉は使用されていない。全ての人に平等な台湾らしい優しい心配りが感じられた。
中にはマスクが14枚も
最も驚いたのがこのマスクだ。徐々にマスクの生産量は安定し、4月9日からは大人も2週間で9枚買えるようになる。14日間の隔離生活中の為という枚数だとは思うが、その多さに申し訳ない気持ちになった。
旧正月ごろからマスクが不足し始め、街ではなかなか手に入らなくなっていた、その後ウェブシステムが導入され、1週間に2枚買えるようになり、、、、
毎日のように薬局には長蛇の列ができ、お年寄りも一緒になって並んでいる姿を目の当たりにしているので、ただただ驚き申し訳ない気持ちになった。(筆者は特に持病もなく、自宅で仕事ができるという事もあり、隔離生活終了後に近所の持病のある方々に配る予定。)
今では当たり前のようになってしまった海外生活。今回のコロナ騒動をきっかけに、それが当たり前ではないのだという事、沢山の人々の助けによって自分が台湾で生活できている、という事をまた改めて考えさせられた。
そして微力ではあるが、少しでも少しでも台湾の方々に恩返しができるよう精進しなくては、と改めて決心させられた、そんな「隔離包」だった。
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