出稼ぎ・留守児童の現実が日本でも注視されている中国の農村。2018年12月19日の新浪圖片、12月20日の街頭那点事が、村でたった一人の小学生とたった一人の先生の今を紹介している。
一人で登校する王くん(出典:新浪図片)
王竜澤(ワン ロンゾー)くんは6歳で、一人っ子。村でたった一人の学齢児童だ。町の小学校に行くまでの3年間、村で頼貞元(ライ ジェンユエン)先生の“マンツーマンレッスン”を受けることになった。
教室の鍵の開け閉めを担当する王くんの背は、背伸びをして手がやっと鍵穴に届くほど。頼先生と王くんは毎日一緒に学校とその運動場の掃除をする。
運動場で「拍皮球」(ボール遊び)の“体育”授業
「毎日の掃除は欠かせない大事な授業だ。生徒が彼一人でもやらなければならない」と頼先生は考えている。「王くんは3年後に町の小学校へ行って、やはり同級生のみんなと一緒に掃除をするし、自分の宿舎の片付けも覚えることになる」
今は地元四川の言葉を話す王くんに、先生は漢語のピンインと発音を丁寧に教える。町の小学校へ行った後、「普通話」(標準語)で困らないようにだ。
机が高すぎて立って授業を受ける(出典:新浪図片)
高卒の頼先生が教室で教えるのは、数学とこの普通話「語文」だけだ。十数年の代用教員経験を持つ頼先生は、まだ字を覚えることが大事な時期の王くんになら自分でも教えられるし、王くんのためのクラスを開く許可が出ただけでもよかった、と語る。
王くんと父親の王興孟(ワン ユーモン)さんの生活は苦しい。月に400元の「低保・扶貧款」(生活保護のようなもの)に頼る。学校でよく先生と食べるお昼ご飯で栄養が保たれることもある。
父親と王くん。壁には王くんの「塗鸦(落書き)」がいっぱい(出典:新浪図片)
頼先生は47歳だ。出稼ぎに行きたいところを村に踏みとどまっている。王くんの母親は出産後すぐに亡くなっており、一人で遠くの学校へ入るのも、かと言って学校へ行かないのも、王くんのために良くないからだ。
頼先生とその奥さんも二人の子供を大学に行かせている。1年の学費は計4万元。代用教員報酬は月に1350元。
生徒たった一人の赶水鎮太公村小の前で(出典:街頭那点事)
中国各地の村に残る子供の初等教育を担っているのはこうした心ある先生達だ。
59歳のベテラン教師、令狐克洪(リングー コーホン)先生も山村に住む9歳の譚陸森(タン ルーセン)くん一人を「走教」(この秋から始まった教育の質の公平、農・山村の教育の質を上げる改革)形式で教えている。譚くんは祖母が育てているため山を離れて学校に行けないからだ。
「先生は僕が卒業したら無職になるの?」と心配する譚くんに、令先生は「定年退職したら家で“孫子兵法”を研究して“孫”を守るんだよ」と笑って答えているという。
(情報元:http://slide.news.sina.com.cn/z/slide_1_64237_346408.html#p=1
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