上海で最もよく知られている日本の書店・内山書店（1917年〜1945年）の跡地に2022年11月26日、新たに「1927・魯迅与内山紀念（記念）書局」がオープンした。

 

「1927・魯迅与内山紀念書局」の厳かな外観（上海）

 

内山書店は、内山完造（1885年〜1959年）さんが開いた書店で、当時、魯迅（ろじん、1881年〜1936年）が上海滞在時に足繁く通い、内山完造さんと親交を深めた場所として知られる。魯迅は日本人にもなじみの深い中国の文学者で、日本に留学した経験もある。日本でも中学や高校の国語教科書に魯迅の作品が掲載されていることもあり、読み親しまれている。

 

内山書店跡地にオープンした「1927・魯迅与内山紀念書局」（上海）

 

この内山書店の跡地が虹口区にあり、上海市文物保護単位（重要文化財に相当）に指定され、これまで地道な旧跡保存活動や修復が続けられていたと言う。

 

1階の書店販売コーナー（上海）

 

今回オープンした書店・「1927・魯迅与内山紀念書局」の広さは約800平方メートルで、3階建てになっている。訪れた2022年12月下旬では1階（一部は閉鎖中）と2階が開放されていて、スタッフによると3階は準備中とのことだった。

 

1階に併設されている書店カフェ（上海）

 

クラシカルで厳かな外観の建物の中に入ると、1階には内山書店の歴史を紹介するパネルや魯迅ゆかりの資料の展示のほかに書籍の販売コーナー、そしてカフェスペースがある。併設のカフェでは、座席数は少ないながらも、ゆったりと落ち着いた中で、文化的な香りを感じることができる素敵な空間が創られている。

 

2階の読書・自習スペース（上海）

 

2階に上がると、読書・自習ができるスペースもあり、整然と並んだ書籍と落ち着きのある色味のインテリアに囲まれ、あたかも大きめの書斎或いは町の図書館にいるかのような暖かくて懐かしい印象を受ける。「この環境で読書ができたら最高」と本好きにはたまらないほど魅力的なフロアは、思わず長居したくなる。

 

2階の書籍販売コーナー（上海）

 

また、書籍コーナーでは、窓から差し込む光と通りから聞こえる人の声が心地よく感じるほどの静けさが広がり、何となくノスタルジックな気持ちになる。

 

2階の窓から眺めた通り（上海）

 

この「1927・魯迅与内山紀念書局」では、当時に思いを馳せながらカフェでまったりとしたい方におすすめ。周辺には、魯迅公園、魯迅故居、魯迅小道など見どころも多いので、できれば1日かけてこのエリアをゆっくり散策してみたい。

 

1927魯迅与内山紀念書局：上海市虹口区四川北路2056号

＊最寄り駅は、地下鉄3号線「東宝興路」駅

 

 

参考：https://new.qq.com/rain/a/20221126A06J7B00

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1750609610010424307&wfr=spider&for=pc

 

 

 

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