以前こちらでもご案内をしているが、出前一丁はこの香港でとても愛されている。朝からインスタント麺に卵やハムを乗せたものを食べる人も多い香港で、日系ブランドの代表格である出前一丁は人々から別格のような待遇をされているのではないかと感じる事がある。インスタント麺を出前一丁に変更するだけで、メニューの価格が追加になる事も多々あるほどなのである。
そんな香港に、日本同様の「カップヌードルミュージアム」が存在する事はご存知だろうか。以前は香港国際空港の第2ターミナルに位置していたこのミュージアム、コロナ禍の間にチムシャツイの中港城の中へ移転をしてきた。
ここではカップヌードル(日清)の歴史を簡単に見て回る事ができるほか、「マイカップヌードルファクトリー」「出前一丁ファクトリー」「マイグラノーラファクトリー」が併設されている。コロナ禍でどこにも行く事ができない中、便利な立地に移転してきたミュージアムで開催されているこれら体験コースは非常に人気で、常に混雑し予約が取り難い事も多かった。
日本のカップヌードルミュージアムのホームページを見ると、「マイカップヌードルファクトリー」、「チキンラーメンファクトリー」が掲載されている。つまり香港で行われている「出前一丁ファクトリー」、「マイグラノーラファクトリー」は日本にはない体験コースのようである。
今回は中でも常に予約でいっぱい、そして香港で大人気の出前一丁を作成する「出前一丁ファクトリー」を体験してみたので、その様子をお伝えしたい。
こちらは中港城に位置するカップヌードルミュージアム香港の外観の様子。中国やマカオとのフェリーも再開された為、フェリーの発着点である中港城にも人出が戻り始めている。ミュージアムはこのフェリー乗り場のすぐ近くに位置する。
入り口で各体験のチケット購入が可能。しかし「出前一丁ファクトリー」は特に混雑している為、事前にインターネットでの予約を行う事をおすすめしたい。
ミュージアムの中には展示や写真スポットがある。
そしていよいよ「出前一丁ファクトリー」の挑戦模様をお伝えしたい。一回の人数は25名程度、所要時間は1時間半、参加料金は香港ドル120ドル。
筆者が参加した日は、子供だけではなく大人のグループ、外国人グループなど多種多様のメンバーが集まっていた。広東語メインのコースではあるが、外国人の参加者には英語での説明を行ってくれる。
ここでは「手作りの出前一丁を体験する」ことができる。パッケージだけを手書きで書き、中身は出来合いのものを詰めていくのではなく、麦粉を手でこね製麺機に入れて麺を作るところから始まるのである。
小麦粉を製麺機に入れ、手で製麺機のローラーを回しながら麺を平にしていく。
同じ作業を何度も繰り返す。子供も大人も真剣。
そしていよいよ製麺機からインスタント麺さながらの麺が出てくる。
自分たちで作った麺をスタッフが蒸している間、出来上がった麺を詰める為のパッケージを各々デザインしていく。こういった工程も、自分のオリジナル麺が出来上がっていくようでとても楽しいものである。
そして最後の工程は油で揚げる (日本語のホームページでは瞬間油熱乾燥法と呼ばれている)作業。実際油で揚げる作業はスタッフが行ってくれるのだが、自分の麺が揚げられる様子は窓ガラス越しに見て、写真を撮る事が可能。
自分の麺が油で揚げられているのを見るのは興味深い。
いよいよ麺が揚がると、あとは自分でデザインしたパッケージに詰めてくれる。これらの作業工程で約1時間半。とてもシステマチックに構築されたプログラムで、楽しむ事ができるほか、インスタント麺が出来上がるまでの作業工程を垣間見る事ができる非常に貴重な体験であった。
そして自分の麺を作成した後は、ミュージアムに併設されているショップにて買い物も可能。楽しい思いをした後は、ついつい財布の紐もいつも以上に緩みがちになってしまう。
ショップの入口様子。
出前一丁だけではなく、カップヌーやスナック類、その他の日清の食品が勢ぞろいしている様子は圧巻。スーパーではなかなか見つけられないインスタント麺がある場合などは、これからはこちらのショップを訪ねればよいだろう。
また食品だけではなく、Tシャツやステーショナリー等のグッズも多数販売されている。出前一丁好きの人が多い香港では「清仔」と呼ばれている出前一丁の可愛らしい男の子のキャラクターも大人気だ。その清仔グッズが揃っており、こちらのミュージアム限定グッズもあるとくれば、香港土産にもとても喜ばれるであろう。
香港製造とかかれた出前一丁のパッケージそのままの、小物ケースやクリアフォルダー。
日本発の出前一丁が、香港で香港人に愛されながら育ってきた様子の一端はここに来れば見る事ができる。
立地も市内に代わり一段と便利になったカップヌードルミュージアム香港。世界中の人に愛されている出前一丁の作業工程体験など、香港での旅の楽しみがまた一つ増えたのではないだろうか。
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