「ラーメンはとんこつだけじゃない!」日本のラーメンには、他にも醤油、味噌、塩味といった他の味もあることを現地で広めたいと熱く語るのは、「神町」を仕切るラーメン職人の飯尾益市さん(46歳)だ。
現地在住日本人からも高い支持を受ける「神町」ラーメン(上海)
「神町」は、食の激戦区である上海において、鶏白湯スープをベースに提供する人気のラーメン店。上海を代表するショッピングストリートの一つ、「淮海中路」沿いに店舗を構える。食事時には行列ができ、上海在住の日本人からの支持も高いうえ、地元のラーメン好きも通う人気店だ。
こだわりのラーメンを美味しく提供することに気を配るラーメン職人・飯尾さん(上海)
今でこそ、「神町」は、地元での認知度も高いが、その道のりは順風満帆ではなかった。もともとは、京都で食べたラーメンの味が忘れられなかった上海人オーナーの思いでスタートした。ラーメン・コンサルタントとして飯尾さんが上海に来たのは2019年9月のことだ。同年11月、「神町」がオープン。経営はすぐに軌道にのるかと思いきや、2020年1月下旬より、新型コロナウイルス感染症が広がり始め、多くの店舗が休業や時短などの制限を余儀なくされ、「神町」も感染拡大ピーク時には店舗を休まざるを得なかった。
風水⁉︎「赤」を基調とした店内(上海)
当時、中国語もあまり理解できなかった飯尾さんが入手できる情報は少なく、不安にかられながらも、「今できることを!」と、メニューの開発に励み、SNSをひたすら発信することでフォロワーを増やすなど、「神町」の存在感を地道にアピールし続けていたと当時を振り返る。
「神町」は、コロナ禍下の厳しい環境の中、中国仕様のメニューを提供し、そしてとことんラーメンにこだわった職人気質で、見事に人気店に成長し、今日にいたっている。
地元のラーメンファンにも愛される「神町」ラーメン(上海)
日本とちがい、現地ではラーメン専門店でもラーメンだけではなく、「+居酒屋メニュー」という、日本人から見ると異色な組み合わせが大いに“うける”。地元に愛される店舗になるには、文化や習慣の違いなども考慮する必要がある。「ラーメンにタコわさ、サーモンの刺身ですからね」と苦笑する飯尾さん。最初はこうしたメニューの提供に抵抗があったという。それでも過去、上海に進出した飲食店の成功事例などを参考に居酒屋メニューにも踏み切った。
週末は開店前から行列ができる「神町ラーメン」(上海)
こだわりのラーメンにも全てのお客様に美味しく食べていただけるようにと、驚くほどの気配りをしている。日中間の塩分(スープ)のバランスの違いにも対応し、お客様をイメージしながら一杯一杯、丁寧につくりあげている。さらにお子様連れのお客様には、お子様ラーメンセットを無料で提供している。お客様に美味しく食べてもらうための気配りに対して手間暇を厭わない飯尾さん。
鶏白湯スープのラーメン!リピーター客も多い(上海)
ところで、上海で「神町」というと、毎週末限定で提供される人気ラーメン店のインスパイアが有名。例えば「二郎系インスパイア」、「天下一品インスパイア」など。コロナ禍で、なかなか日本に帰国できない日本人や日本に渡航できない現地のラーメンファンに楽しんでもらいたいと企画したそうだが、その完成度の高さに、毎週、開店前から行列ができるほどの人気ぶり。クオリティの高いラーメンは「日本ロス」を感じる人の胃袋をしっかり掴んでいる。
神町(成都南路店):上海市黄浦区成都南路127号2F
最寄り駅は、地下鉄13号線「淮海中路」駅。
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