新型コロナウイルスの感染対策の緩和以降、驚くほど感染が拡大している上海は、上海市が「クリスマスの外出自粛」を呼びかけ、市内では静かなクリスマスを迎えた。
閑散とする南京東路・歩行者天国(上海・12月下旬)
例年であれば、繁華街をはじめ、市内がクリスマスディスプレイやイルミネーションに包まれ、イベント感あふれる雰囲気の中、ワクワクしながら過ごすのだが、今年は、一部エリア(外灘など)を除き、全体的にみてもクリスマスカラーのディスプレイが少ない。
人が少なく、ディスプレイも寂しげな印象を受ける(上海・12月下旬撮影)
また感染者増加によるスタッフ不足で休業している飲食店もあり、華やかなクリスマスムードとはほど遠く、街は閑散としている。
某クリスマスマーケットの様子(上海・12月24日撮影)
現地では、「陽性」の「陽(yang 2声)」と羊「(yang 2声)」の発音が同じことから、陽性になることを「羊(🐑)になる」と表現し、陰性者は「天選牧羊人(天に選ばれし羊のお世話をする人)」とか「天選打工人(天に選ばれし労働者)」というネット流行語になっているが、「選ばれし者」も外出を自粛しているのか、地下鉄内もガラガラで、ショッピングモール内も人がまばらだ。
人もまばらなショッピングモール(上海・12月24日撮影)
一方で、「ステイホーム」で注目されるのがデリバリーサービス。ただ、デリバリーサービスが大盛況?と言うよりも、感染拡大で配達員も少ないため、配達には通常の1.5〜2倍の時間がかかっているようだ。6年ぶりに土日と重なった今年のクリスマスだったが、商戦も盛り上がりに欠け、サービス業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている。
クリスマスにリンゴが人気⁉︎(上海・12月24日撮影)
そうした中、SNSでは「平安」という言葉やリンゴの投稿が目立った。中国ではクリスマスケーキやクリスマスチキンではなく、「クリスマスアップル」といったところ。
「平安無事」を願うクリスマス・リンゴ(上海)
中国語でリンゴは「苹果(ピングゥオ)」、クリスマスイブを「平安夜(ピンアンイエ)」と言うが、似たような音だということ(諸説あり)から、リンゴを「平安果(ピンアングゥオ/平安無事を願うリンゴ)」と呼び、クリスマスシーズンに贈り合う習慣がある。感染が拡大する中、「平安無事に過ごせますように」と願う市民の声が聞こえてくるようだ。
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