「カルフール初のスマート店が上海にオープン」と聞き、その利便さとサービスを体験してみた。
地下鉄駅直結の便利な立地
ウィチャット(Wechat/微信)を展開するテンセント(Tencent/騰訊)と事業提携後の初店舗で、店名は「Le Marche(ル マルシェ)」。
スマート決済の方法も多様化
入店後、何といっても注目すべきはそのスマートで多様な決済方法。レジは3種類のレーンに分かれていて、1つは日本でもよく見かけるようになった自動レジ、そして、顔認証決済ができるレーンとQRコードスキャン決済のレーンだ。
現金も対応しているレジが最も混雑
本来、顔認証決済レジの決済時間が短く、並ばなくてもよいはずなのだが、現金支払いのレジと共用になっているため、ここが一番並んでいたのが興味深い。やはりご年配者層は現金支払いが多かった。
「並ばないレジ」というPOPが店内で目立つ
QRコードのスキャンによる決済は、ウィチャットのミニプログラムを使い、商品のQRコードをスキャンすることでその場ですぐ決済するので、レジで並ばなくてもよいサービスだが、初回に、登録用のQRコードをスキャンし、携帯番号などを登録しないといけない。顔認証決済の場合も同様で、利用前のこのステップは、慣れない消費者にはハードルが高いのかもしれない。
店員もスマート決済をすすめる
ちなみに、現在、顔認証決済システムが使えるのは中国の身分証をもっている人だけで外国人はNG。「外国人の顔は、まだシステムで認証されていないから」とは、真偽のほどは定かではない、スタッフのコメント。
清潔感あふれ、広々とした店内
前述の商品QRコードのスキャンによる決済は中国の携帯番号を登録すれば、外国人でも利用可能なので、外国人も不便さは感じないだろう。
QRコードスキャンで支払い済のレーン
カルフールの顔認証決済導入を聞きつけ、わざわざ体験しにきている若者も見られ、その関心の高さがうかがえる。
顔認証決済をしているところの撮影をスタッフ(右)に頼む利用客
実際、顔認証決済がどれほど便利か?というと、極端にいえば、「指と顔さえあれば支払い完了」という画期的な効率の良さだ。モバイバル決済では、便利とはいえ、アリペイかWechat Payのアプリをひらき、決済画面を表示する手間がかかる。顔認証決済は、スマホ不要で、携帯番号の下四ケタを入力し、顔を所定の範囲内にうつせばOK、時間にしても2〜3秒ほどで完了。スマホを持たずに手ぶらでも買い物ができるしくみだ。
顔認証決済レジ
ただ、まだオープンして間もないこともあり、「システムはこれからまだまだ改善の余地あり」とスタッフが語るように、顔認証は数秒なのだが、メインレジにデータが送信され、「決済完了」とのメッセージをスタッフが確認するまでに時間がかかり、レジ渋滞がおきていた。ここでの待ち時間を考えると現金払いのほうが効率よく感じたが、「手ぶらで買い物ができる」という手軽さは若者を中心に普及しそうだ。
顔認証決済レジに並ぶ現金支払いの利用客
急速にスマホ決済が広がった上海でも顔認証決済に主流が移行しそうな勢いが感じられ、キャッシュレス社会がますます加速しそうである。
今後増えていくと思われるスマート店
*ミニプログラム:最近主流となっているサービスで、ダウンロードもインストールも必要なく、利用できることで人気。
Le Marche(ル マルシェ)天山店:長寧区蒲淞北路18号-臨
最寄り駅:地下鉄2号線「北新涇」駅直結
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