ここ数日、深刻な大気汚染に悩まされている中国の北京市、天津市及び周辺の地区ですが、PM2.5を含む大気汚染指数が非常に高く、最悪なレベル値を記録しています。中央気象台も連日、粉塵に関するオレンジ警報を発令しています。ちなみに、中国のスモッグ(大気汚染)警報は、「青→黄→オレンジ→赤」の順で深刻度を表していて、オレンジは今後3日間、重度の汚染或は深刻な汚染が継続して出現することが予測される際に発令されるそうです。
勢い良く噴射をしているが、果たしてその効果は?
(出典:新浪図片)
そのような中、河北省に粉塵を噴射で抑制する多機能型粉塵車が登場しました。この多機能型防塵車は霧を噴射し、空気中に漂う汚染物質と結合させて素早く地面に落下させ、空気を浄化するしくみだそうです。通称「スモッグ砲」と言われるこの噴射の射程距離は60m、幅20mとのこと。最大貯水量10トンで、大気汚染対策として、関係機関より非常に期待されています。
現在、市民が大きな関心をよせる深刻な大気汚染ですが、年々その深刻度も加速化し、早期解決を望む声が日増しに大きくなり、関係機関も頭を悩ませていて、この多機能型粉塵車を打開策の一環として、これまでも重度な大気汚染が見られる他地域で出動していたようです。
スモッグ砲も霞んでみえます?(出典:新浪図片)
さて、関係機関が大きな期待をしているこの多機能型防塵車ですが、市民の多くは「その場かぎりで終わる対応では?」「根本的な解決ではない」として冷ややかな見方のようです。
さらに「60m程度の地面に近い汚染物質を除去してもあまり意味がない!」と対応策への評価も低く、不満は隠せません。関係機関は大気汚染対策をしているということを「見える化」してアピールしたいのではとも皮肉られているこの対策。市民が求めているのはパフォーマンスではなく、きちんとした除去効果の有無です。連日警報の出る危険な空気を吸っている市民は、関係機関に根本から解決する、効果のある大気汚染対策を期待しています。
参考:http://slide.news.sina.com.cn/green/slide_1_28436_92177.html#p=1