自動車のインテリジェント化で世界をリードする中国で、車載レーザーレーダー市場が爆発的な成長の前夜を迎えている。昨年4月に小鵬汽車が初めて量産型レーザーレーダーを搭載したP5を発表したのに続き、今年6月には蔚来ES7が米Innovusion社製のレーザーレーダーを搭載、理想L9も禾賽科技のAT128高精細レーザーレーダーを搭載した。自動運転のパイオニアであるテスラの自動車が頻繁に事故を起こして以降、業界内ではレーザーレーダーの重要性がますます意識され、多くの企業が自動車に搭載する流れができた。その流れは中国の新興電気自動車(EV)メーカーからすでにメルセデス、BMWといった伝統的な自動車メーカーにまで拡大、レーザーレーダー事業に参入する企業もどんどん増えているのだ。
半導体市場調査会社の仏Yoleによる推算では、レーザーレーダー全体の市場規模は2020年1億8000万米ドルから26年には57億ドルにまで成長する見込みだ。中でも車載用レーザーレーダーの成長が著しく、20年の2600万ドルから26年には23億ドルと6年間で約9倍にまで膨らむと予測されている。まさに「ビックバン」と形容したくなるほどの爆発的成長が見込まれる背景には、自動運転技術の発展、レーダー技術の発展によりさまざまな運転シーンに対応できるようになったこと、そして研究開発の加速によるコスト低下への大きな期待がある。
自動運転ブームが冷めやらぬ中で、華為技術(ファーウェイ)や大疆(DJI)といった新規参入の大手電子機器メーカーも、従来からレーザーレーダー分野で研究開発を重ねてきた古参メーカーも車載レーザーレーダーの量産にアクセルを踏みこんでいる。大疆は年産20万個の生産ラインを確保し、華為も車載用レーザーレーダーのパイロット生産ラインを作って年産10万個を生産する計画だ。また、古参メーカーの禾賽科技は年産100万個超の生産センターを持ち、すでに理想、集度、高合、ロータスといった中国のEVメーカーからの注文を受けているという。
ただ、レーザーレーダーメーカーにはそれぞれ課題もある。華為、大疆は業界参入時に大きな注目を集めたものの、顧客からの信頼を得るには至っておらず、性能面でも古参メーカーにやや劣るためその存在感は今ひとつなのが現状。一方で禾賽科技のような古参メーカーは、これまで費やしてきた莫大な研究投資費用を回収できるほどの利益がまだ生み出せておらず、赤字が続いている。つまり、新参、古参が相入り交じる車載レーザーレーダー業界ではまだ、絶対的な優位に立つプレーヤーは出現しておらず、それぞれに克服すべき課題を抱えているということだ。
自動運転技術の向上とともにますますニーズが高まることが予想される車載レーザーレーダー業界。激しい競争の中で各メーカーが切磋琢磨し、より高性能で、よりコストパフォーマンスの高い製品が今後続々と開発され、インテリジェント自動車の発展を「アシスト」することだろう。
(出典:https://c.m.163.com/news/a/HE87DNME05198R91.html)
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