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2022.01.06
デンプンの人工合成に中国の研究グループが成功、世界に大変革をもたらす可能性

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■デンプンは植物から取るのが常識だったが…

デンプンは、人類にとって掛け替えのない重要な栄養源である。また、食用だけではなくさまざまな工業分野でもデンプンは広く利用されている。その生産方法はジャガイモやトウモロコシなどの植物から採取するというとてもシンプルなものだ。しかしその「常識」が近い将来覆されるかもしれない。

 

■デンプンの人工合成に成功、材料は二酸化炭素

中国科学院天津工業バイオ技術研究所がこのほど、デンプンの人工合成という科学技術上重大なブレイクスルーを実現し、その研究成果が昨年9月に世界的な学術誌・サイエンス上で発表されたのだ。

 

デンプンの人工合成の主役になるのが、現在世界的に排出削減が呼びかけられている二酸化炭素だ。研究チームは11のステップを用いて二酸化炭素をデンプンに変える技術を開発したとのことで、まず化学触媒を利用して高濃度の二酸化炭素を炭素数が1の化合物(C1化合物)に還元し、それから新重合酵素を利用してC1化合物をC3化合物に変化させ、さらにC3化合物からC6化合物へ、C6化合物からCn化合物へと合成していき、デンプンを生成するという。

■作物からデンプンを取るよりずっと効率的

現在の技術パラメータによれば、エネルギーが十分に供給される条件下において、1立方メートルほどの大きさの生物反応装置から年間で0.33ヘクタール(1辺およそ58メートルの正方形の面積)の畑で穫れるトウモロコシに相当する分のデンプンを生成することができるとのことだ。

 

作物がデンプンを生成するには光合成を始めとする60あまりの代謝反応や複雑な生理調節システムを必要とし、理論上のエネルギー転化率はわずか2%程度。しかも作物の生育にはかなりの手間隙がかかってしまう。簡単に言えば、デンプンを取るために植物を育てるのは非常に効率が悪いということだ。このたび開発された人工合成法を使えば、トウモロコシのデンプン生成プロセスの8.5倍という速さでデンプンが生成できる。しかも、気候に左右されずに安定的にデンプンを作れるので、特に貧困国向けに安定的な食料供給を行うことができるようになるのだ。

 

■食料問題、環境問題…大きな将来性を秘めた人工合成デンプン

デンプン用の作物を栽培する必要がなくなれば、大量の土地や水、肥料といった資源を節約することができる。しかも、二酸化炭素が原料になることからカーボンピークアウト、カーボンニュートラルといった地球温暖化への取り組みにも大きく貢献することになる。2015年から6年かけて実現したというこの技術の次なる課題は、いかにしてコストを下げて量産体制を実現するかだ。量産化が実現すれば、バイオ技術や農業生産を始めとする世の中のさまざまな分野に革新的な変化をもたらすことだろう。

 

(出典:http://t.m.china.com.cn/convert/c_kBvmZJH7.html

 

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