9月26日以降、海外からの入境者に対して「0+3」という措置を行ってきた香港。それまで設けられていた指定ホテルに於ける3日間の強制隔離が撤廃され、3日間の医学的観察付きの行動制限に取って代わった。
行動制限の期間中は外出することはできるが、安心出行というワクチン記録や行動記録を管理するアプリ内に記されているQRコードのステータスが黄色となっており、黄色コード期間中はレストラン内での飲食ができない他やバー・パブといった施設へ入場をすることはできなかった。
それがこの度、12月13日よりアプリの黄色コードの廃止と安心出行アプリによる行動管理が不要となったのである。この発表がされたのは施行日前日の12月12日のこと。行動制限の大きな改善に至るまではまだまだ長い道のりが必要だと思っていた香港市民は、たった1日で状況が大きく変わった事を喜ぶ一方、あまりの急な前進に(喜びの)衝撃が走ったのは否めない。
また居住者のみならず、海外からクリスマス休暇で帰国をする人々や旅行者の負担や気持ち的にも大きな前進となったといえる。
では今回どのような変更があったのか、海外からの入境者に関わる部分の内容を簡単にお伝えしたい。
まず海外からの入境者について、到着後2日目に行うPCR検査の結果が出るまで記されていた安心出行内の黄色コードが廃止された。これにより、入境者は香港到着後でも直ぐにレストラン店内へ入り、店で食事をすることができるようになった。特に旅行者にとっては、短い滞在期間で3日間もの間強いられてきたテイクアウトの日々から解放されることなり、これで観光需要やインバウンド関連の経済復活への兆しが見込める。
ただし入境者に必要とされる空港到着時と2日目にPCR検査、および5日間の迅速抗原検査(RAT)のレポートは、今なお必須のままであるので注意が必要だ。
次にレストランやバーなどの施設入場時に必要とされていた、安心アプリによるQRコードスキャンが不要となった。入店時、時間をかけてQRコードをスキャンした上に、レストランにいたっては更なるコードの読み取りが必須であったが、この手間が不要になったという事で施設への入場が樂になり、時間も短縮できる。
ただし入店時のワクチン接種記録の提示は引き続き必要とされる為に、安心出行アプリやeHealthアプリ、紙のワクチン証明書などは持ち歩く必要がある。
その他の変更点といえば陽性者の自宅隔離中の電子リストバンドの着用義務廃止、香港から中国・マカオへの入境時PCRが廃止などが挙げられる。
このようにクリスマス休暇を前に、新型コロナウイルスの防疫対策について更なる緩和策に踏み切った香港。実際最近の感染者の数は日々1万人の新規感染を超えている状況であるが、経済復活の優先に踏み切ったと言えるだろう。
クリスマス、年末年始、そして2023年1月の旧正月期間は、香港の街に外国からの観光客、ビジネス客が戻ってくるであろう。
香港はコロナの3年に加え2019年の域内情勢不安の1年という、合計4年ものブランクがあった。この空白の4年からの復活が、いよいよ開始したと言える。
大勢の人でにぎわう街中の様子(12月)
大勢の人でにぎわう街中の様子(12月)
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