天后廟と同様に、海の守護神が祭られている譚公廟(タムクン寺)。毎年、この譚公の誕生日を行う祭りが旧暦4月8日に行われる。香港島の筲箕灣(シャウケイワン)ではこの譚公誕を賑やかに祝うことで有名で、今回はその様子を写真でお送りしたい。
譚公は子供の頃から先の天気を予測し、病を癒す力を持っていたため、漁師より崇められるようになり、香港では古くより信仰されている。
旧暦4月8日は、筲箕灣(シャウケイワン)の譚公廟(タムクン寺)を中心に、祝いのパレードが筲箕灣の街を練り歩く。
こちらが譚公廟。当日は朝から多くの参拝客が訪れ、熱心に祈りを捧げていた。
廟には多くの渦巻き線香が吊るされている。100年以上も前に建設された廟だが、2002年にはオリジナルの設計はそのままに、改修が行われている。
祝いのパレードは筲箕灣(シャウケイワン)の街のメイン通りを歩き、途中にある天后廟へ挨拶をし、そして譚公廟(タムクン寺)前へやって来る。パレードには 多くの団体の獅子・龍・麒麟などが参加をし、譚公への祝いの舞を披露すると共に1年の安全・幸せを願う。
大きな龍が廟へ到着をした様子。
こちらは麒麟。廟の前で激しく舞っている。
舞いのクライマックスで紙ふぶきを飛ばしている。
勿論、祝い事に馴染みのライオンダンスも。1頭で来る団体もあれば、数頭で肩担ぎをするものまで、色も種類も様々で飽きることはない。
観客の笑いを誘ったダンスを披露したグループ。
大人も子供も、この日は真剣。
祝いの舞いに必須の太鼓とシンバル。この日は朝から夕方まで、太鼓とシンバルの激しく軽快な音が街中で鳴り響く。
パレードは獅子舞や龍の舞だけではなく、祝いの供え物なども一緒に運ばれて来ることが多い。
途中、子供たちによるカンフーの余興などもあった。
祝いのコスチュームに身を纏ったグループもパレードに参加。
この譚公誕の良いところは、街をあげて、市民や参加団体が自ら楽しみながら祝っているところだ。普通観客席から遠めに眺めるような獅子舞なども、観客も近くで一緒になって楽しみ、雰囲気を分かち合うことができる。
香港に長く住む筆者も、こんなに多くの獅子や龍などを一度に、これだけ間近で見たのは初めてのこと。まさに地元の人が盛り上げる祭りを、一緒に味わうことができるのが筲箕灣(シャウケイワン)の譚公誕ともいえる。
香港の地元の歴史、生活、慣習に触れてみたい方は、是非ともこういった機会を逃さずに訪れていただきたい。
(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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