この数年町を歩けばストリートアートが目につくようになっている香港。
もともと香港の町はカラフルで活気がある。学校や子供が通う施設は建物の外壁を明るいパステルカラーで色づけた所が多い。また街中の建物だけではなく、工業ビルまでもがカラフルに色づいているものが多い。そんなカラフルな香港を更に際立てているのがここ最近のストリートアートである。
レストランや建物の壁にウォールアートが描かれ、シャッターにはその店の特徴である絵がペイントされているものを多く見かけるようになってきた。これらのペイント活動は各々の店やビルにより独自に行われているものもあれば、幾つかの団体によって仕上げられたものもある。
今日紹介するのは、HKWALLSという非営利団体の活動である。HKWALLSはストリートアートやストリートカルチャーを通して香港内及び世界のアーティストの活動サポートしている。一番目立つ活動としては、年に1度地域を限定して開催されるHKWALLS FESTIVALである。
2019年のHKWALLS FESTIVALは3月23~31日に行われたばかりで、今年で6回目。過去にこのFESTIVALが行われた地域を挙げると、2014年が上環エリア・15年は上環及びスタンレー・16年は深水ポー・17年は黄竹坑・18年中環及び西区エリア・今年19年は湾仔エリアとなっている。
例年このFESTIVALに参加するアーティストは20名前後にもなる。それでは、今年のFESTIVALを通して製作された、最新のウォールアートを幾つかご紹介したい。
フランスのアーティスト、DEZIOの作品。中学校の壁の2面を使った大きな作品
カナダのPRICILLAの作品。こちらはホテルの裏壁に描かれたもの
イギリスのINSAの作品。同じく中学校の壁面に
イギリス&香港のアーティスト、MAKE&DOによる
クロススティッチ・インストレーション作品
ロシアのアーティスト、ZMOKによる巨大壁画。VTCの壁面全体を利用したもの
他にも数多くのウォールアートができあがっている。また、今回は香港ならではの2階建てバス・2階建てトラムにも1台ずつペイントが施され、アートな車両が街中を走っている。まさに、このFESTIVALを通じて香港の街全体が更にカラフルに彩られたと言っても良いのではないだろうか。
このようにしてペイントされた壁は数年たっても残っており、地域の生活に溶け込んでいる。「アートな香港」はますます広がってきており、そしてこれからもまだ続いていく。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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