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2023.12.15
脅威の切れ味! 「高枝切りバサミ」ならぬ「高枝切りレーザー」

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■レーザーで高い枝をバッサリ落とす動画が拡散

中国のネット上では近ごろ、人間の手が届かないような高い場所に茂る木の枝をレーザーで切り落とす「高枝切りバサミ」ならぬ「高枝切りレーザー」の動画が拡散して注目を集めた。動画では木の下で作業員が機器を操作すると、何の前触れもなく高所の枝から炎が出現して折れ、下に落ちていく様子が映っていた。まるで魔法をかけて枝を切ったような光景だ。

 

■正体は、四川省の企業が開発した障害物除去装置

この動画で紹介された「高枝切りレーザー」は、四川省のハイテク企業が実際に開発した「黒科技」(ブラックテクノロジー)製品の「レーザー障害物除去装置」なのだ。この会社は2017年の設立からレーザー照射による障害物除去の研究開発に携わっており、現在の除去装置はすでに第6世代の成熟した製品なのだという。

 

会社の創業者によると、実際にこの装置を操作する際にはターゲットの発射起動のマークが出現したり、何らかの効果音が鳴ったりすることなく、静かにレーザービームを発射してターゲットを焼き切るという。特定の出力と帯域のレーザーを使用することで特定の範囲における非金属材料をターゲットとし、金属材料についてはそのまま通過させることができる。

 

■送電線の安全確保で絶大な威力を発揮

レーザーが金属材料を焼き切らないように作られている理由は、除去装置が電力業界での使用を想定しているからだ。従来、送電線付近に伸びている木の枝を処理する場合、枝が高圧線に近かったり、高圧線に接触していたりすると、人手による作業の危険リスクが非常に高く、処理に長い時間を要した。それが、レーザー除去装置を使用した場合、直径10センチ程度の木であれば、1~2分で切断が完了する。作業効率が大幅に向上するとともに、作業員の安全確保、さらには作業時に送電を停止させることによる経済損失の削減といったメリットも持っている。

 

■便利な反面、安全リスクも高いので…

どんなに高くて危険な場所でも「高枝切りレーザー」。あったらすごく便利だろうが、マークも音も出ないままレーザーが出てくるというのはかなり危険であり、誤って人に向かって照射してしまったら……と考えると恐ろしい。この会社では便利ながら高いリスクを伴うこのツールを使う上での安全対策を十分に講じているという。まず、 実際にレーザーを発射するには複数の人が同時に操作を行わなければならない仕組みになっているほか、パスワードの入力など複数のプロセスを経ないと発射できないようになっている。次に、発射方向に人や動物がいることを検知すると直ちに発射を中止するシステムが搭載されている。そして、現時点で電力会社向けにのみ販売されており、個人で装置を入手することはできない。性能と安全性の両立が、「黒科技」に不可欠な要素なのだ。

 

(出典:http://sc.people.com.cn/n2/2023/1210/c345167-40672494.html)

 

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