新型コロナウィルス(COVID-19)の勢いが日に日に増している。
ヨーロッパやアメリカでも更なる猛威をふるい、こちら台湾でも昨日ついに感染者数は200人を越えた。
先手先手に出た台湾の対策が世界から注目されている中、200人越えにはショックを受けた人もいるであろう。先週から感染者数が急激に増えた理由は、17日に日本を始めとする約20諸国を渡航警戒のレベルを最大レベルに引き上げ、更に21日には全世界を「渡航中止と退避勧告」の対象にしたことがあげられる。
それにより海外に滞在している台湾人の一斉帰国が始まり、その帰国者から感染が発覚するケースが大部分だ。
現在もなお、空港は検疫を受ける人々で溢れているようだ。
欠航を示す赤色が目立つ到着便のタイムスケジュール
航空便のキャンセルも相次ぎ、予定どおりに帰国できないという人も多数。
台湾入国の際には検疫が義務づけられている
連日検疫には長蛇の列ができている
入国審査の手前に設置された検疫コーナーでは、マスクをした担当職員が1人1人丁寧に渡航歴や健康状態などの質問をしている。現在ヨーロッパからの帰国者に感染が確認されるケースが増えており、感染リスクを背負いながらも1日何千もの帰国者を相手にする台湾人職員には頭が下がる思いだ。
中には長蛇の列に苛立ち、不平を口にする者もいたが、職員たちはあくまで冷静に、丁寧に仕事をしていた。このような優秀な職員たちの仕事ぶりは見ていて本当に素晴らしいと思った。
日本、中国、香港、韓国、イタリア、イランなど対象国からの入国者は14日間の隔離が義務づけられている
検疫コーナーでは台湾での携帯番号の有無を訪ねられ、その場で番号が繋がるかチェックされる。もし番号を所有していない場合はすぐ隣に申請場所が設置され、連絡先が確保される。隔離対象者には毎日の体温チェック、咳、鼻水の有無などのチェックが義務づけられている。
今現在の隔離者数は外国人も含め2万4千人。
隔離の義務を守らなかった人は最高100万元の罰金を支払わなくてはならない。
専用タクシーを待つ長蛇の列
入国審査を受けた後、対象者は公共交通機関の使用が禁止されており、友人からの迎え、「防疫車隊」と呼ばれる専用のタクシー、自分で手配した車、自らが運転して帰宅、これらの選択肢から帰宅の手段を選ぶようになる。
殆どの対象者が防疫車隊を選択しており、乗り場は約1時間待ち。疲弊している台湾人の姿が多く見られた。
マスクをつけたスタッフが列を整備し、乗車が近づいた対象者には入念な消毒がされる。防疫車隊タクシーは全てが一般的なタクシーを運転している運転手によるものだ。対象者を自宅まで送った後は車内を入念に消毒し、空のままでまた空港に向かい新たな対象者を乗せる。
台北エリアから桃園空港までは1000元はかかるというのにただでさえ乗客が減少している中、感染のリスクを背負い仕事を請け負うタクシー運転手は尊敬に値する。
長引く状況に世界中が疲弊しはじめている昨今、一刻もはやい収束を祈るばかりだ。
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