■中国を代表する食用魚、ソウギョ
中国人にとって最も親しみのある食用の魚と言えば、ソウギョだろう。淡白な味わいゆえにさまざまな調理法にマッチし、煮込んでも揚げても蒸してもおいしい。蒸したソウギョの上に白髪ネギをたっぷり乗せ、熱々の油をかける料理はビジュアル的にも楽しい。そんなソウギョを食す上での最大の問題は、小骨が多いこと。これまでにどれだけの食を愛する中国人の喉にソウギョの骨が引っかかってきたことか。
■ソウギョを愛する中国人の悩みを解決
この難題を解決する発明が、湖北省武漢市にある華中農業大学水産学院の研究チームによって実現した。同学院の高沢霞教授率いる研究チームが、「小骨レスソウギョ」を生み出すことに成功したのだ。「小骨レス」と言っても、全く骨がないわけではない。ただ、通常のソウギョに比べるとしばしば喉に引っかかる小骨が100本余り少なくなっているという。まさに、心置きなくパクパクと箸を進めることができるソウギョなのである。
■ポイントは、小骨を発生させる遺伝子
研究チームはソウギョの肉の間に小骨を生じさせる重要な遺伝子を突き止め、この遺伝子の作用を阻害することで小骨を発生させないようにした。その成果を示すには実際にソウギョを何世代か育てる必要があったが、ソウギョは比較的ライフサイクルの長い魚であり、結果が出るまでに時間がかかった。1世代目を育ててから2年で2世代目が誕生したが、2世代目では小骨が少なくなった個体と元の数のままの個体が入り混じった。そこで、小骨が少ない個体を500匹余りスクリーニングして飼育を継続し、3世代目を繁殖させることに。すると3世代のソウギョは全ての個体が「小骨レス」となった。
■気になるそのお味は……
小骨が少なくなり食べやすいのは非常にありがたいことだが、そのために食味が落ちてしまったならばちょっと残念だ。実際に「小骨レスソウギョ」を食した人からは「安心してかぶりつける」という声に混じって「普通のソウギョよりも身がしっとりしている」との感想が。食味を左右するタンパク質やクエン酸含有量を測定したところ、通常のソウギョに近い値が出たとのことで、「骨がなくなって味も落ちた」ということはなさそうだ。
ソウギョはもともと他の淡水魚に比べて飼料コストが低く、排泄物による汚染も少ない上、その肉には良質なタンパク質が豊富に含まれているという。「小骨レス」ソウギョの出現により、ソウギョは中国人の食卓を彩り、健康で丈夫な身体を作る上でますます欠かせない存在になりそうだ。
(出典:https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_26583931)
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