上海市は、「ロックダウン(都市封鎖)はない」としつつ、今回、上海を二分割、「浦西エリア」と「浦東エリア」別々に時間差で封鎖し、PCR検査を実施することを発表。「浦西と浦東を封鎖することは事実上のロックダウンではないか」という市民の声をよそに、時間差による封鎖で市民の行動を制限し、コロナ感染者を徹底的に洗い出す構えだ。
上海の「時間差封鎖」マップ〜現地SNSより
浦東エリアは、3月28日午前5時から4日間、つまり、3月31日まで。その後、4月1日午前3時から浦西エリアが4月5日までの4日間封鎖される。それぞれの4日間は、エリアの店舗は休業。地下鉄やバスなどの公共交通機関は運休、タクシーや自家用車などの運行も禁止となる。
ちなみに浦西エリアには、上海随一の繁華街・南京東路の歩行者天国周辺や、日系企業のオフィスが集まり、駐在員をはじめ日本人が多く居住する古北エリアも含まれる。
浦西エリア封鎖前日、飲食店が在庫食材を路上販売する光景(上海)
このエリア別の封鎖計画が発表されたのが、3月27日の夜。情報を入手した多くの市民が食料確保にスーパーなどに駆け込んだようで、27日夜半から28日にかけて、SNSはスーパーの混雑ぶりや行列などに関する話題でバズった。
封鎖は4日間だが、期間内にPCR検査を実施することで、仮に陽性者が出たら、封鎖日数は延長となる懸念もあり、万が一のためにできるだけ多くの備蓄をと考える市民は多い。一方、スーパーに行列ができたり、店内が混雑したりする様子ぶりは、逆に感染リスクがより高くなるのではないかと懸念する声も上がった。
スーパーでは売切れでも飲食店や路上にはある?野菜販売(上海)
とはいえ3月に入り、多かれ少なかれ、マンションや社区(コミュニティ)ごとのプチ封鎖(2〜3日)を何度も繰り返してきた上海市民。経験も積み、毎日少しずつ備蓄していたつわものも少なくない。
3月いっぱいで落ち着くと思われた上海市内のコロナ感染だが、4月中頃まではマンションや社区(コミュニティ)別のプチ封鎖が続くのではないかというのが大方の予想だ。
静かに販売がスタートしている「青団」(上海)
何はともあれ、4月3日〜5日の清明節の三連休すら「封鎖」で終わってしまう今年の上海。清明節に欠かせない風物詩・「青団(チン・トゥアン/草団子)」商戦を狙っていた店舗には大きな誤算。外出もデリバリー利用もままならない封鎖期間、今年はDIY「青団」を楽しむ投稿が増えそうだ。
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「上海市で時間差封鎖開始」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。