ここ1〜2年の間に“美しい設計”と称される美術館、博物館、図書館といった文化施設が続々と登場している上海。それらをめぐることが若い世代のトレンドになっている。
新たな文化拠点になりそうな徐家匯書院(上海)
2023年1月にオープンし、「顔値(顔面偏差値=見た目・SNS映え)が高い」と話題になっているのが、複合型図書館・「徐家匯(シュージィアホイ)書院」だ。
1階吹き抜けの閲覧席(上海・徐家匯書院)
上海市の中心部に位置し、地下鉄「徐家匯」駅を出てすぐの場所にある。アクセスが良く、おしゃれなカフェも隣接していることから、貸出や閲覧だけでなく、来館者の目的もさまざま。実際、館内の写真を撮影しただけで帰る人も多い。
通路も広く、ゆっくり本を選べる(上海・徐家匯書院)
「徐家匯書院」の総面積は1万8650平方メートルで、地下2階、地上3階建て。館内には上海や徐家匯に関する書籍のほか、アート系の画集、歴史関連の書籍が充実している。そのほか、AI技術を活用したサービスもあり、図書館スタッフの姿はほとんど見かけることがない。
3Dプリンターを使った芸術「光啓之門」(上海・徐家匯書院)
そして、約800席の閲覧席があり、読書、自習、ボーッとする⁉︎など利用目的に合わせて様々な席エリアが用意されている。中でも春や秋に強くおすすめするのがテラス席だ。
開放的で居心地が良いテラス席(上海・徐家匯書院)
目の前に広がる美しい街並みを眺め、本を片手に日光浴しながらくつろげるテラス席では、贅沢なひとときを過ごすことができる。
テラス席から一望する街の風景(上海・徐家匯書院)
これでドリンクさえあれば、図書館というよりもカフェにちかい雰囲気だ。
映え写真の撮影スポットとしても人気(上海・徐家匯書院)
さらに、館内で最も人が集まっている場所がこのテラス席である。なぜか?ここに建物の外壁から屋外に張り出すバルコニー⁉︎のような場所が2箇所あり、このポイントで映え写真を撮影しようとする市民が行列を作って順番待ちしているのだ。SNSの投稿を見ても、ここで撮影された写真が多い。
映え写真は風景をバックに自撮りだが?(上海・徐家匯書院)
もちろん、他の閲覧席もそれぞれ特長があり、いずれも居心地の良い空間が広がる。それは児童書コーナーも同様で、子どもたちがワクワク楽しみながら閲覧できるように工夫されていた。
カフェの一角のような閲覧席(上海・徐家匯書院)
また、夜中、急に本が読みたくなる⁉︎という読書家に朗報なのが、出入口付近に24時間利用可能な無人図書館とライト付の閲覧席があるということ。
ライト付の閲覧席の横には無人図書館が設置されている
(上海・徐家匯書院)
ところで、多くの市民が訪れているが、映え写真の撮影目的で入館する人も多く、通路や席を妨げる状況も少なくない。静かに読書や自習ができるかと言うと、当面はそういかないように思え、周りを気にしない高い集中力が求められる。
多様なスタイルの閲覧席がある(上海・徐家匯書院)
徐家匯書院:
上海市徐匯区漕渓北路158号
最寄り駅は地下鉄1/9/11号線の「徐家匯」駅。
*2023年4月現在、入館は無料だが、入館には事前登録(予約)が必要で、Wechat(ウィチャット・微信)のミニプログラムからアクセスして予約する。
参考:
http://life.taocms.org/01/57452.htm
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1754510153650745010&wfr=spider&for=pc
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