上海の秋は短いと言われるが、秋が近づくと街の中に漂ってくるのが、キンモクセイ(金木犀)の甘い香り。中国語では、「桂花(グゥイ・ホゥア)」(モクセイ属の花を指す言葉)と言う。上海市内で、この「桂花」の香りを存分に楽しめる「花見」場所の一つが「桂林公園」。敷地はおよそ3万5000平方メートルで、正園、東園、西園、南園エリアに分かれた、見どころ満載の公園だ。
キンモクセイの香りが漂う桂林公園で秋を楽しむ(上海)
園内に一歩足を踏み入れると、楼閣、回廊や太湖石などがあり、そこは公園というよりも、江南の伝統的な古典庭園のようだ。園内には、樹齢100年に近い古木も多く、緑が広がるその景色はさながら都会のオアシス!
緑あふれる都会のオアシス(上海・桂林公園)
この桂林公園に植えられているのは、黄色い花をつける金桂(ウスギモクセイ)、白い花をつける銀桂(ギンモクセイ)、橙色の花をつける丹桂(キンモクセイ)などおよそ23種類で1000株以上になるという。「桂花」の開花時期は9月中旬から10月下旬。この時期に上海を訪れるのであれば、ぜひ足を運んでみたいのがこの「桂林公園」だ。
秋を感じるキンモクセイの香り(上海)
ところで桂林公園の楽しみ方だが、花見以外にも、園内の小道をゆっくり散策したり、ベンチでのんびりと日光浴のほか、開放的な屋外で風景を見ながらお茶を飲んだりするのもおすすめだ。もちろん好みのお弁当やドリンクを持ち込んで、家族や友人とピクニックも楽しい。芝生エリアでは寝転んだり、バドミントンをしたりと、思い思いに公園を満喫する光景が見られる。
公園は市民の憩いの場でもある(上海・桂林公園)
さて、やさしく甘い香りが特長の「桂花」は、お料理にもよく使われているが、身近なところでは、コーヒーやスイーツメニューなどでもよく見かける。キンモクセイは、砂糖漬けして、紅茶やソーダ水に入れたり、アイスやヨーグルトに添えたりと万能な“お花”。
秋の限定ドリンク「桂花ラテ」も人気(上海)
とくに近年、現地のカフェでは、「桂花」を使った「桂花拿鉄(キンモクセイラテ)」や米から作った発酵食品「酒釀(ジィウ・ニャァン)」を加えた「桂花酒釀拿鉄(キンモクセイ酒釀ラテ)」が秋限定のフレーバーとして登場。ほのかに香るキンモクセイとコーヒーのコラボレーションが絶妙で、秋に飲みたいドリンクの一つとして人気が高い。
桂林公園:桂林路128号
最寄り駅は地下鉄12/15号線「桂林公園」駅
*開園時間は要確認
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