コーディネーターの仕事をしていて、番組のお蔭で中国大陸・台湾・香港・マカオ等にあちこち行くようになりました。
しかし、広い中国では、まだまだたくさん行ったことがない地があり、昔から北朝鮮に対しては、どのような国なのか、人々はどんな生活しているのか、いろいろ気になるところがありました。
今回夏休みの間に北朝鮮に一番近い中国の「丹東市」に行ってきました。
丹東市は北朝鮮と河一本で繋がっていて、望遠鏡でお互いの表情まではっきりわかるような近さです。丹東市には、たくさんの朝鮮族料理専門店があって、こういう料理店には北朝鮮のスタッフもたくさんいるそうです。つい最近、北朝鮮人スタッフの集団亡命事件もあったと聞きました。
今回、時間の関係で北朝鮮に渡ることができませんでしたが、色々な情報が聞けました。
まず、大連から丹東へ行く高速鉄道を乗るところで、後ろの中国人乗客がこんな会話をしていました。
「北朝鮮には観光でも、ビジネスでも行く必要がないんじゃない? 国として周りに迷惑行為ばかりかけて、中国に対しても核問題で困らせて、自分なら行かないよ。しかも、北朝鮮に行ったら、アメリカとかへの入国はできなくなるよ。」 中国人にとって今の北朝鮮がどういう風にとらえられているのか何となくわかってきました。
丹東市に着いたら、タクシーの運転手からも「丹東市ではたくさんの北朝鮮人が生活している。貧しい国と一般的認識されているが、実はそうでもないよ、特に華僑である北朝鮮人は金持ちが多いみたいだ。」という話も耳にしました。
丹東市に最も有名な鉄橋「鴨緑江大橋」は、現在「断橋」と呼ばれています。この橋は半島日本植民地時代に日本の技術で建てられ、朝鮮戦争の時には中国軍の増援を断つため、アメリカ空軍によって真ん中で破壊されました。この橋を巡る時も「当時、数十万人の中国軍人がその戦場で命を落とした、しかし、今の北朝鮮は感謝の気持ちが全くないようだ。当時、何のためにその戦争に行ったと思っているんだ」と文句もよく聞きました。確かに自分自身も疑問を持っていますが、私は戦争が嫌いで、平和を願っていますので、北朝鮮と何か物騒なことが起こることも望んでいません。
飛行機で大連に行き、大連から高速鉄道で約2時間ほどで、丹東市に辿り着けます。
「鴨緑江」上には中国側の観光船が行き来しています。遠いところに見えるのが現在中国と北朝鮮を結びつける鉄道橋です。
船に乗って、約30分間の河巡りで、北朝鮮国境に一番接近したのは約10Mの距離。目視で北朝鮮軍人の顔もはっきり見えました。彼たちの表情はちょっと黙然していて、目線は河の向うにある丹東市のビル群に集中しているように見えました。河の両側の差に対して、気持ちは複雑なんでしょうか?!
北朝鮮側の村では子供連れの婦人が河で洗濯しており、子供の体の形から見ると栄養不良なども無さそうです。手を振ると、子供も陽気で手を振ってくれました。しかも中国の子供より無邪気な感覚がしました。
河では、多くの中国人の大人達が水泳で河を横断している様子もありました。船員に聞くと、北朝鮮に上陸しなければ、北朝鮮国境まで水泳することが許されているとのことでした。しかし、北朝鮮側の人はこういったことはできないようです。
鉄道橋ですが、トラックも走れるようになっています。
隣には朝鮮戦争で破壊された橋も残ったまま。戦争の爪痕としてたくさんの観光客が来ています。
橋の北朝鮮寄りに有料の望遠鏡があって、見てみると、北朝鮮側に何と遊園地みたいなプールがあって、たくさんの男女がプールで楽しんている様子を伺えました。
破壊された橋の断面です。頑丈な鉄でもぐちゃぐちゃになり、戦争は怖いものだと感じました。
平和を大事にしないといけないとより一層深く思いました。
橋の中国側に建てられた記念像です。下に「FOR PEACE」と書かれております。
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