近年、上海ではおしゃれなお店やレストランが急速に増え、道行く若者のファッションスタイルも流行の最先端を取り入れているが、まだまだ「ザ・中国」的な風景を垣間みることもできる。厳しい寒さを終え、暖かい日射しを受けた上海で、春を感じるこの時期から見かける「さとうきび」もその一つである。
噛むと甘—い砂糖水のような果汁が口に広がる
さとうきびと聞くと、すぐに思い浮かべるのが「黄緑色のもの」、「黒砂糖」、「甘い」というイメージだと思うが、中国ではどちらかというと茶色がかった紫色が一般的で、そのまま皮をむき、食べやすい長さに切って丸かじりにして食べる、おやつ感覚の食材として人気が高い。街では食べ歩きする子供や若者の姿を見かけ、道ばたやスーパーなどでも原型の状態で大量に置かれている。
一見すると物干し棹のようだが、食用である
食べ方の主流は前述した丸かじり。茎をそのまま噛んで、果汁を吸い取ったあとの「カス(繊維)」は食べられないので吐き出す。さながらガムを食べるのと同じ容量だが、食べ歩きでは、その「カス(繊維)」をゴミ箱やビニールに入れずに、そのまま路上へ向けペッペッと吐き出す。慣れた動作で、口から吐き出すその器用さに見とれることがあったとしても、さとうきびを食べ歩きした人の後はこの「カス(繊維)」が散乱する。街の美化を妨げるとの懸念の声も上がっているほどで、外で丸かじりする食べ方はあまり美しいものではないと言える。
一本10元(約170円)で売られる広東産のさとうきび
また、一本丸かじりにすると、噛みすぎてアゴが痛くなるのも難点だ。「アゴを強くするには良い訓練になるよ」と地元の人はすすめるが、決してやわらかくない繊維は噛んでいてとても疲れる。気になるお味は?と言うとさらっとしていてもみずみずしく、例えるならば甘さひかえめのシロップのようだ。ただ、慣れないとどうしても味より食べ方に気がいってしまう。
道ばたで器用に皮をむく店員
丸かじりする食べ方に抵抗がある人には「さとうきび生ジュース」がおすすめ。やはりその場でしぼってジュースにするのでフレッシュで、手軽に楽しめるとあって女性を中心に人気がある。
皮をむいて、そのままかじるのが基本
(出典:百度図片)
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