人の命に関わる手術ではちょっとした手先のミスが文字通り命取りになる。それは手が滑った、場所を間違えたという凡ミスではなく、手に込める力のわずかな差によって結果が変わりかねないという非常にシビアな世界だ。手術とは比べ物にならないが、日常生活でも手先の力加減が必要な行動がある。それは卵などの割れやすい物を扱う時だ。
■卵の殻を剥く手術用ロボットアーム
北京市で5月に開かれた2024年全国科技活動ウイーク科技イノベーション展覧会では、繊細な力加減を必要とする手術用ロボットがその能力を来場者に見せつけた。ロボットは2本のアームを使って直径2〜3センチの鶉の卵の殻を剥き、非常に薄い膜を残したまま全ての殻を見事に剥き終えた。すると、足を止めて見入っていた人びとからは驚きの声が漏れたという。
■精度は0.07〜0.1ミリという精密さ
このロボットは、北京市の企業が開発した腹腔内視鏡手術ロボットで、医師が操作するコントロールパネル、患者が手術を受けるプラットフォーム、3次元電子腹腔内視鏡、そして手術用機器などで構成されている。企業担当者によると、ロボットアームの4本の指を広げると7センチほどの幅となり、狭いスペースで高難度で高い精度が求められる手術を行うことができるという。操作の精度は0.07〜0.1ミリという精密さであり、ほんの少しのずれでも傷つけて多量の出血を引き起こしかねない血管や各種組織を傷つけることなく、しかも切開による傷口も小さくて済むため患者の回復も早くなることが期待できる。
■遠隔手術の実現で農村の医療リソース不足解決にも期待
ロボットアームと一緒に手術を進める機器も高性能だ。3D内視鏡は腹腔内の各方向の情報をリアルタイムにコントールパネルに伝送する。企業担当者曰く、従来の手術とは異なり医師はコントロールパネルの前に座り、ゲームをプレイするようにハンドルを操作することで楽に精密な手術を行うことができるという。これまでにすでに、泌尿器科、小児科、外科、婦人科などさまざまな診療科での手術でこの「神の手」を持つ手術ロボットが利用されているそうだ。農村などの末端地域の医療アクセスが課題の一つになっている中国において、高速インターネット通信と手術ロボットを組み合わせた遠隔操作による手術の普及が問題解決に大きく寄与する可能性がある。
(出典:http://stdaily.com/index/kejixinwen/202405/301e425ed479476e889d99e6c9a12050.shtml)
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