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2024.04.18
薄いのにぽっかぽか、「ホッキョクグマ」が防寒ウェアに革命をもたらすかもしれない

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春本番を迎え、多くの地域では日中に汗ばむくらいの暑さの日も増えてきた今日このごろ、ダウンの服を着て寒さを凌ぐ季節は終わりを告げつつある。防寒着素材の代表格と言えば水鳥の羽根であるダウンだろう。しかしこれからは、極寒の地に生息するホッキョクグマから着想を得た保温ウェアが普及するかもしれない。

 

■ホッキョクグマの毛皮構造を模した新繊維

浙江大学化学工程生物工程学院の研究チームが先日、ホッキョクグマの毛が持つ構造を模倣した超温感人工繊維の開発に成功した。この繊維は、断熱機能を持つだけでなく、人体から外部への赤外線放射を遮断することもでき、より高い保温性が実現できるという。

 

ホッキョクグマがマイナス40度という超低温の世界でも生きていける秘密はその毛皮にある。大量の空気を内包する中空構造になっており、熱伝導と対流を抑制することで熱損失を抑えているのだ。研究チームはこの原理を防寒着に応用する方法の模索を続け、より少なく薄い素材でより多くの空気を封じ込めようと試みてきた。そこで着目したのが多孔質で空気よりも密度が低いエアロゲルだが、エアロゲルのコーティングは剥がれやすく、耐摩耗性や引張抵抗などの機械的特性が低いという問題があり、衣服の保温性を高める素材として利用するにはブレークスルーが必要だった。

 

■「コア―シェル」の二重構造が高い保温性を実現

研究チームは6年の時間をかけてホッキョクグマの毛の「コア―シェル」構造を利用した新しいタイプの繊維を開発。繊維の中心には直径約10~30ミクロンの細長い小さな穴が開い高分子のエアロゲルを配し、このたっぷりと空気を含んだ保温性の高い「コア」の周囲を熱可塑性ポリウレタン・エラストマーの「シェル」包み込む構造にした。熱可塑性ポリウレタン・エラストマーは破断することなく繊維自身の長さの2倍まで引き伸ばすことができ、衣料用繊維としての耐伸縮性も確保した。

 

■5分の1の薄さでダウンジャケットと同程度の保温性

新開発の繊維の保温効果を確かめるため、研究チームはマイナス20度の恒温保冷庫でダウンジャケット、ウールのジャンパー、コットンのジャンパーと表面温度の上昇を比較する試験を実施した。温度の上昇が大きいほど体内から熱が奪われていることを示すというこの実験では開始から数分後に綿ジャンパーの表面温度が10.8℃まで上昇したのに対し、ダウンジャケットは3.8℃、新繊維は3.5℃にとどまった。新繊維の厚さはダウンジャケットの3分の1〜5分の1であり、新繊維の高性能ぶりが実証された。

 

新しい繊維は既存の商業用紡績機で布地を作ることが可能であり、着色も可能だという。材料コストも低廉である一方、加工にかかるコストがちょっと高く、量産化に向けては加工技術のさらなる開発、改良が必要だという。逆に言えば、技術の改良が実現すれば薄いのにぽっかぽかな「ホッキョクグマウェア」が急速に普及する可能性もあるということ。これはとても楽しみだ。

 

(出典:http://www.news.cn/science/20240105/77db9b5e08c848ad94047a2e6d393918/c.html)

 

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