IT分野ではさまざまな技術に関する標準化、規格化が行われているが、これらの規格を満たすために使用しなければならない特許技術のことを「標準必須特許」(SEP)と呼んでいる。SEPの保有者は、規格に適合する製品を作り、売ろうとする他者に対して合理的かつ公平に当該SEPの使用を認めることが求められているが、SEPを多く保有することは対象の製品分野で主導的立場にあることを示すと言える。
新たな時代の通信技術として、従来の技術とは比べものにならないほどの幅広い可能性と用途を持つ5G通信分野では特に、各国、各企業によるSEPを巡る争いが激しくなっている。
中国のICT系シンクタンク中国情報通信研究院がこのほど「世界5G標準必須特許・標準提案研究報告(2023年)」を発表し、その中で5G通信技術のSEPおける各企業の「パテントファミリー」保有率のランキングを明らかにした。「パテントファミリー」とは、世界各国でそれぞれ出願された同一の特許のまとまりを示すものだ。
同研究院によると、2022年6月現在で世界で宣言されている5G関連のSEPは21万件余りで、4万7000のパテントファミリーから構成されている。このうち、最も多くのパテントファミリーを保有している企業が中国の華為技術(ファーウェイ)で、全体の14.59%を占めた。2位は米クアルコムの10.04%、3位は韓国サムスン電子の8.80%で、4位以下は中興(ZTE、8.14%)、LG(8.10%)、ノキア(6.82%)、エリクソン(6.28%)、大唐電信(4.34%)、OPPO(4.19%)、小米(シャオミ、4.10%)となっている。トップ10のうち中国企業が5社を占めており、中国企業の合計パテントファミリーは1万8000件で世界全体の40%に達したという。
2位に5ポイント近い差をつけての1位に輝いた華為がいかに5G通信分野で大きな影響力を持っているかをうかがわせる結果と言える。また、今やスマホメーカーだけでなく、スマート家電分野でも業界をリードする存在となった小米は今回初めてのトップ10入りだ。20年は15位、21年は13位、そして今回の10位と順調にランクを上げており、この先もさらにジャンプアップしそうだ。また、小米はすでに次世代通信の6G技術開発に着手しており、昨年発表した「6Gが世界を変える」と題した報告書では、メタバースやデジタルツインといったシーンでの6G通信の応用について言及したほか、雷軍CEOは3年前の時点で6Gの開発に着手する姿勢を示していた。
(出典:https://finance.sina.com.cn/tech/2023-05-10/doc-imyteiey8650218.shtml)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「5G通信標準必須特許の4割が中国企業、中でも断トツはあの会社」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。