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2023.11.08
静脈を移動して薬を届けるナノロボット、お手本は「地球最強の生物」

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■ハルビン工業大学、医療用マイクロ・ナノロボットを開発

黒竜江省のハルビン工業大学ロボット技術システム国家重点実験室、ハルビン医科大学第一附属病院などがこのほど、クマムシを模した医療用マイクロ・ナノロボットを共同開発した。静脈内での駆動と停止を実現する世界先進レベルの技術の獲得により薬物の送達効率の大幅な向上を実現し、悪性腫瘍の精密治療などに新しい可能性が切り開かれた。

 

マイクロ・ナノロボットはその名の通り肉眼で見ることができないほど非常に小型かつ軽量で、推力重量比が大きいという特徴を持ち、血管を通って薬物をターゲットに送り込む上で大きなアドバンテージを持っている。ただ、生きた動物の血管中では当然ながら心臓の拍動に合わせて血液が高速で流れており、この流れの中で自在に動き回って薬物を送り届けられるようにすることが技術的な大きなハードルとなり、医学分野での応用がなかなか進まなかった。

 

■「地球最強の生物」クマムシが、開発の大きなヒントに

この状況に対して研究チームは、クマムシに似た医療用マイクロナノロボットを設計。クマムシは緩歩動物と呼ばれるようにゆっくりと歩くずんぐりむっくりとしたフォルムをしている一方で、100度の高温からマイナス200度以下の低温、超低圧から超高圧、放射線などあらゆる過酷な環境下でも生存することができる性質を持ち、「地球史上最強の生物」とも呼ばれている。研究チームはクマムシが流動的な環境の中で爪を使って着実に移動する特性に着目し、ロボットに爪状の表面構造を採用して高速な血流の中でも「目的地」に進むことができるように駆動効率を向上させた。その結果、直径20マイクロメートルのロボットが静脈の血流の中で1秒あたり2万マイクロメートル(=2センチメートル)移動できるようにするという目標を達成した。

 

■血管の「急流」の中で自在な動きを実現

強い川の流れの中で同じ場所に留まっていることが難しいように、静脈中のマイクロ・ナノロボットを長時間同じ場所に「停止」させるのも至難の業。しかしこの課題を克服できなければ、せっかくロボットがせっせと運んできた薬物を狙った場所にピンポイントに効かせることはできない。そこで研究チームは多磁場複合制御という技術を用いてロボットを生体組織表面で意図的にストップさせ、ターゲットに薬物を放出させる制御可能にした。ウサギを用いた実験では、ロボットを血管内の同じ場所に36時間以上「停止」させることができたという。

 

「地球史上最強の生物」のクマムシをヒントに、重篤な病気の治療で大きな希望となる医療用マイクロ・ナノロボット技術が開発された。実際に臨床の現場で用いられるようになるまでにはまだ時間がかかりそうだが、最新技術によって生まれた「クマムシ」たちが多くの人の命を救う存在になってくれる日が1日も早くやって来ることに期待したい。

(出典:https://zmt-m.hljtv.com/news_details.html?id=804707&curTime=1685517661184&timestamp=1698231725010)

 

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