FLY MEDIA BLOG

FLY MEDIA BLOG

2023.12.04
角膜移植に光明、中国の研究グループが「感覚」を持つ人工角膜を開発

お問い合わせはこちらお問い合わせはこちら

 

医療技術の発達は人類の長寿や健康増進に大きく寄与してきた。その中で、人工皮膚や人工関節、人工心臓など、人工の臓器や組織が次々と開発され、多くの人の命を救うとともに、重篤な病気に悩む患者のQOL(生活の質)を高めてきた。中国の天津市にある南開大学の研究チームはこのほど画期的な人工角膜の開発に成功し、研究成果が国際学術誌の「ネイチャー・コミュニケーションズ」で発表された。

 

■「感覚」を備えた人工角膜

同大学電子情報・光学工程学院の徐文濤教授率いる研究チームが新たに開発したのは、感覚を備えた人工角膜だ。角膜は眼球の一番前にある透明な組織で、目に入ってくる光を集めて眼球の内部に通すレンズのような役割を果たしている。そして、角膜には神経が集中しており、異物が触れるとすぐに目を閉じる角膜反射を生じる機能も持つ。これまで開発されてきた人工角膜はレンズ的な役割を果たすものの、角膜反射を引き起こす触覚センサー的な機能は備わっていなかった。それゆえ、今回の開発は画期的なのである。

 

■本物の角膜が持つ反射メカニズムを人工的に再構築

脳を介さない反射のシグナルは、反射弓と呼ばれる神経経路を通じて伝達される。研究チームは、センサー発振回路、亜鉛スズ酸化物(ZTO)繊維の人工シナプス、エレクトロクロミック素子(ECD)をそれぞれ受容体、情報処理装置、アクチェーターとした人工的な反射弓をデザインし、本物の角膜が持つ反射運動の再現に成功した。ZTO繊維は低コストで製造できる一方で透過率が非常に高い上、結晶構造を高度に調整でき、記憶や学習に影響するシナプスの可塑性を確保できることから、連合学習や暗号化通信といった分野でも利用価値があるという。

 

■ロボットに装着してみたら……

研究グループはロボットに開発した人工角膜を装着しての概念実証を実施し、本物の角膜と同じように光の屈折はもちろん、目の保護機能や触覚の感知という従来の人工角膜では実現できなかった機能も確認された。しかも、光の強さが常に変わる環境の中で目をより適切に守ることができるという性能も実証された。

 

■移植用角膜不足の解決につながる可能性

角膜が白濁したり、傷ついたりした場合、視力を回復するためには角膜の移植が必要になる。移植する角膜を得るにはドナーによる提供が不可欠だが、ドナー不足が問題となってきた。新たに開発された人工角膜はこの問題を解決するうえで大きな貢献を果たす可能性を持っている。実用化に向けてはさらなる研究が必要なようだが、徐教授は将来この角膜が神経の修復や視覚の回復のために広く利用されるだろうと語っている。

 

(出典:http://www.news.cn/2023-11/28/c_1129997477.htm)

 

株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。

本日御紹介した「角膜移植に光明、中国の研究グループが「感覚」を持つ人工角膜を開発」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。


お問い合わせはこちらお問い合わせはこちら
totop TOPへ

東京本社 Tokyo Headquarters
〒170-0013
東京都豊島区東池袋2-44-2 庄司ビル2F
TEL: 03-5843-3063 / MAIL: desk@flymedia.co.jp

中国法人 China Corporation
FLY MEDIA CHINA(優視飛翔(北京)文化伝播有限会社)
〒100026
北京市朝陽区姚家園路105号3号楼4階501室6
URL: https://www.flymedia-china.com/

© FLY MEDIA Co.,Ltd. All Rights Reserved.