世界の自動運転自動車業界をリードする米テスラは、2024年にハンドルもペダルもないロボタクシーの量産開始を目指しているという。また、アップルもハンドルとブレーキペダルがないEVの開発を進めているとの情報もある。そんな中、中国のIT大手・百度(Baidu)がこのほど、「ハンドルなし」モードに対応した量産型自動運転EVを公開した。
百度が開発している第6世代の量産型自動運転EV「Apollo RT6」の情報が7月21日に明らかになった。他者との提携で開発した前世代の自動運転EVとは異なり、今回は百度が単独で開発、設計したものだ。運転席には従来の自動車と同様にハンドルが取付けられており、ハンドルを使ったモードと、ハンドルを取り外したモードの両方で運転が可能となっている。
「ハンドルがない自動車」の実現は驚くべきものだが、製造コストも驚きの安さになっている。前世代のコストが50万元近くだったのに対し、「Apollo RT6」のコストはほぼ半分の25万元ポッキリ。もはや一般的なEVと変わらないレベルまでコストが圧縮されたのだ。百度の創業者である李彦宏CEOは「われわれは自動運転車のコストを業界の10分の1まで下げた。通常の新エネ車に相当する価格だ。将来、無人タクシーに乗る費用は今のタクシー代の半分くらいになるだろう」と語っている。タクシーのコストの多くはドライバーの人件費であり、無人運転が実現すればその分コストが下がるというわけだ。
百度の計画によれば、「Apollo RT6」は来年2023年に同社の自動運転タクシー配車プラットフォーム「Appollo Go」を通じて利用可能となる予定で、25年には中国65都市、30年には100都市での営業を目指している。「Appollo Go」はすでに北京、上海、深セン、杭州など10あまりの都市で運用が行われており、この1年で配車オーダー数は100万件を超えたという。そして7月20日には北京市で中国国内初となる、運転席に人がいない(これまで運転席への乗車が必須だった「安全員」の助手席乗車が認められた)ロボタクシーによるテスト営業がスタートした。完全な無人化の実現もそう遠い話ではないだろう。
ところで「Apollo RT6」はロボタクシー用車両として開発されたものではあるが、個人の顧客も興味があれば購入することができるという。ただし、現時点では中国国内でハンドルのない自動車を公道上で走らせることはできない。せっかく購入しても、国から許可が降りるまでは「ハンドルあり」でガマンしなければならないが、それでも大いに未来を感じさせてくれるこのクルマを個人で買いたいという人はいるかもしれない。
(出典:https://www.163.com/dy/article/HCQSGBFE0519DFFO.html)
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