5月に入ってもいまだ、一部エリアを除き、都市封鎖が続いている上海。一時は食料不足などが度々報道されている。
エリア格差など不満も出ている政府の配給品(上海)
政府からの配給もエリア格差⁉︎があり、満足に食料を入手できず、頼みのネットスーパーや食料品購入サイトも早朝からの注文受付にアクセス集中でパンク状態という不便な生活が長期化している上海で、食料調達の「救世主」と呼ばれる『団長』の存在が脚光を浴びている。『団長』とは、『団購(トゥアン・ゴォウ/共同購入)』のとりまとめ役を指す。
『団購』は、一定数の購入希望者を集めれば、商品を優待価格で購入できるという共同購入システムで、封鎖下の上海では、小区(住宅団地)あるいはマンション単位で同じ商品を購入することが食料調達の主流になっている。その『団購』を取りまとめるのが『団長』で、上海の団長ということで『上海団長』と呼ばれることもある。
『団長』の主な役目は、同じマンションや小区で組織されるSNS上の住民グループチャット(Wechat /ウィーチャット)に「◯◯(商品)を一緒に購入しますか?」というメッセージを発信し、数量をとりまとめてサプライヤーに連絡すること。
『団購』は、たいてい50セット以上とか、合計3,000元(約58,000円)以上といった条件があるため、これらをまとめると、オーダーが100件以上になることもある。時に世帯数が多いマンションなどでは1000件以上になる商品もあり、これら大量の商品を間違うことなく、サプライヤーから受け取り、注文した人に届けるというのが『団長』の具体的な役割だ。
上海市内のショッピングモールが打ち出した『団購』サービス
モール内の飲食店などが参加!
『団長』は毎回固定ではなく、『団購』する商品によって変わる。正直、手配や分配、配送車からの運搬など様々な作業があり、よほどその商品を購入したいか、またはボランティア精神のある人でないと、なかなか務まらない。例えば、注文したはいいが、途中でキャンセルしたいと言い出したり、商品を受け取ってから、「思っていたのと違う」、「品質が良くない」、「パッケージが破れている」などなど様々なクレームが出るのも日常茶飯事だからだ。また、数量制限のある『団購』もあり、考え方や価値観の違う住民を満足させることも至難の業で、トラブルになることも少なくない。
某マンションの『団購』
『団購』で住民の嗜好もわかる⁉︎(上海)
ところで、購入する側も欲しい商品があれば、その『団購』のウィーチャットのグループチャットに入る必要があるため、人によっては、『団購』のために、複数のグループチャットに入っていることも。また『団購』の情報もこれらチャットで発信されるため、定期的にチェックしないと見逃してしまう。そのため、封鎖下でスマートフォンを見る時間がますます長くなっている。
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