現実には存在しないバーチャルキャラクターがYouTubeコンテンツを配信するバーチャルユーチューバー(VTuber)。その元祖と言えるキズナアイが登場してからちょうど5年が経ち、多くのVTuberがリアルYouTuberに勝るとも劣らない人気を獲得するとともに、YouTubeの枠を飛び出して幅広い活躍を見せるVTuberも出現している。
そして、お隣の中国ではAI技術の成熟とともにますます多くの分野でバーチャルキャラクターが出現、活動しており、彼らは「V-life」(疑似生命)と称されている。最近では江蘇省のテレビ番組に登場したお天気お姉さんV-life「天気阿准」がその生みの親と見せた、まるで生身の人間どうしのように自然な会話のやり取りが話題となった。
また、2018年には新華社が最新の人工知能(AI)技術を駆使し、リアルな報道アナウンサーと同じアナウンス能力を持つという男性V-lifeアナウンサー「新小浩」をリリースして人びとに衝撃を与えた。新華社は今年6月にも、V-life記者の「小諍」を中国の宇宙ステーション「天宮」に派遣、世界初の「デジタル宇宙飛行士」としてデビューさせた。「小諍」は有人宇宙飛行プロジェクト、惑星探査、月探査など中国の大きな宇宙プロジェクトに関する「現場報道」を担当するという。
さらに、中国の理系大学最高峰と呼ばれる清華大学も「華智氷」というV-life学生を「入学」させた。「華智氷」はリアルな人間とのコミュニケーション能力を持つだけでなく、音楽や詩、絵画の創作も得意とする才女であり、キャンパス内で広く愛されているとのことだ。この他にも、ブランドのイメージキャラクター、博物館の学芸員、ライブコマースのMCなどさまざまな身分や職業を持ったV-lifeが次々出現し、現実世界を席巻している。
V-lifeが急速に増えている背景には、労働コスト、人件費コストの節約という現実的な事情もあるようだ。V-lifeたちは24時間体制で仕事を受ける人ができ、特に緊急時に大きな強みを発揮してくれる。例えば「天気阿准」は今後生身の人間の記者に代わって、災害現場からの報道を担当したいと考えているという。危険な現場に入っても、災害に巻き込まれてケガをする心配がないからだ。中国にも少子高齢化の波が押し寄せており、将来的には日本同様に労働力の不足が深刻化する可能性がある。V-lifeたちはロボットとともに人手不足を緩和する存在として今後ますます重宝されそうだ。
V-lifeたちは今や「技術発展の産物」という存在を越え、時として人間に代わって仕事をこなし、時として人間と友だち付き合いをし、時として人間の心を癒やすなど、現実社会においてさまざまな意義や価値を持ち始めている。人類は今後、ロボットそしてV-lifeたちと共存して生きていく社会を築くことになるだろう。
(情報源:https://mp.weixin.qq.com/s/Z2LJ5mtGvIMZIcswaYkVYg)
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