中国の自動車メーカー大手・東風自動車の高級車ブランドとして立ち上げられ、2021年に独立した湖北省武漢市の嵐図汽車は、ビッグデータ、エッジクラウド、人工知能（AI）など世界をリードする技術を統合した「5G+産業インターネット工場」を作り、新モデル車のプロジェクト周期を大幅に短縮することに成功した。

■5G+F5Gによる生産力強化
嵐図は中国聯通（チャイナユニコム）、華為技術（ファーウェイ）などの協力のもと、2年をかけて工場や産業パークを網羅する5Gハイブリッド・ネットワークを構築。バックボーンネットワーク、長距離伝送、定点シナリオではファーウェイの全光ファイバーF5G（第5世代固定通信網）ソリューションを採用し、ネットワーク遅延をマイクロ秒レベルまで短縮し、ネットワーク信頼性を99.9999％まで向上させることで、エネルギーと空間のコストを30％削減した。また、5G、ビッグデータ、エッジクラウド、AIなどのグローバル先端技術を駆使して高効率でインテリジェントなプレス工場、完全自動化された溶接工場、無塵化に成功したインテリジェントで環境に優しい塗装工場、全自動の樹脂工場、デジタル化された組立工場を建設し、年間15万台の完成車生産能力を確保した。

■ARゴーグルで検査効率が飛躍的に向上
5Gネットワークは通信遅延を大幅に削減し、システムの安定性を向上させるとともに、従来のWIFIネットワークでボトルネックとなっていた距離的な制約を打破した。一連の管理システムによって全作業場のAGV（無人搬送車）スケジューリングが可能となり、全体的な物流効率が15％向上した。また、工業シーンに特化した5GのAR（拡張現実）ゴーグルセットを採用し、工業騒音環境で正確な音声認識を実現したほか、マシンビジョン、音声認識、ヒューマンコンピュータインタラクションなどのAI技術と組み合わせてインテリジェント検査、インテリジェント操作、遠隔ガイダンスなどにも活用。ARゴーグルによって作業場の検査効率が50％向上すると同時に、生産操作のエラー率も30％低下した。

■新モデル開発プロジェクトの周期が1年短縮
研究開発効率の面では、5G産業インターネットを通じて製品プロセス統合設計プラットフォームを独自に開発。研究開発とプロセス設計のデータフローを開放し、デジタル仮想シミュレーション技術を応用したプロセス仮想検証を実施することで、新モデルの開発プロジェクトサイクルを36か月から24か月に短縮した。また、効率や透明性、デジタル化、技術化といった生産管理要求を満たすため、生産ラインの設備監視プラットフォームを核心とし、5G技術の強みをフル活用することで、工場の設備をリアルタイムで監視し、生産レベルを高めると同時に故障対応時間を短縮することに成功した。 設備監視プラットフォームは各設備の主な稼動状況データと故障データをリアルタイムし、設備管理担当者の日常的な設備保守、修理、点検の効率も向上。平均故障対応時間は2時間から1.5時間に短縮され、生産ラインの年間メンテナンスコストも15％削減された。

（出典：https://baijiahao.baidu.com/s?id=1782542265723801710&wfr=spider&for=pc）

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