世界が新型コロナウイルスの暗雲から抜け出せない中、米国では大統領選挙を巡るゴタゴタが続く中、中国では今年も11月11日の熱狂的なEC祭りが繰り広げられている。中国人のお祭り好き、買い物好きを改めて思い知らされるとともに、まるでこの国にはそもそも新型コロナなどなかったかのような錯覚にさえ陥りそうになるほどの盛り上がりだ。
今年は11月1日のプレセールと11日の本セールと大きなイベントを2回に分けることで物流体制の負荷を低減させる措置が取られた。消費者にとっては2度のチャンスができたと言ったほうが良さそうであり、1日のプレセールも11日の本セールも「爆買い」の勢いは止まるところを知らなかったようである。
■1秒間に58万件を超える注文、取引額もかつてない規模に
アリババが運営するECモール天猫では、現地時間11日午前零時のセール開始から注文が殺到。同0時0分26秒には1秒間に58万3000件の注文が成立する新記録が誕生した。最初に「双11」が実施された2009年の最高記録は1秒間に400件だったとのことで、実に1457倍にまで増えたことになるというからこのイベントの急成長ぶり、消費能力の急上昇ぶりには驚くばかりだ。
そして、セール開始から30分後には、取引額が3723億元を突破。昨年の天猫における「双11」の取引額は2684億元だった。今年の数字は1日からのプレセールの数字も合わせたものとのことで単純比較はできないが、イベントの規模がさらに拡大したことは十分に感じられる金額と言えそうだ。
■世界に広がる「双11」の影響力
天猫によれば、今年の「双11」に参加した消費者は8億人を超え、25万のブランド、500万のショップが出品、出店しており、いずれも過去最大の数字だという。今年は新型コロナによる自粛疲れの反動による「リベンジ消費」が取引額を大きく伸ばす要因の1つとみられているが、なんとか売り上げを伸ばしたい世界各国のブランドがこぞって参加したことも、さらに多くの消費者の購買活動を誘導したようである。
■「双11」はもはや単なる「ショッピング祭り」ではない
11日のセールに先立ち、中国の複数のテレビ局では10日に各ECプラットフォームが主催する「晩会」が生中継され、多くのタレントや歌手が出演した。もはや「双11」は単なるショッピング祭りを超越した、国民的な、さらには世界を巻き込んだ「年中行事」の1つに進化したのである。
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