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2022.09.16
「命令」に従って硬さを自在に変えられる新材料、そのカギは…

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ある時はびくともしないほど頑丈になり、ある時は柔らかくなって衝撃を吸収したりという硬さを自由自在に変えることのできる夢のような素材の作り方が、中国の研究者たちの手によって開発された。その「夢」を実現したのは、ガッチリと噛み合う「歯車」だった。中国の国防科技大学の研究チームがこのほど、硬度と形状を大きな範囲で連続的に、かつ速やかに調節することのできる「スマート超材料」の設計方法を開発したことが明らかになった。

 

■普通の材料は硬さを自由に変えられないが…

通常の材料は硬さを自由自在に変えることはほぼ不可能だ。硬いプラスチックをゴムのように柔らかくすることはできないし、逆に柔らかいものをカチンコチンにすることもできない。温度の上げ下げで硬さを変えることはできるが、その都度いちいち高温、低温にする手間がかかるし、温度変化にシビアな環境や用途では使えなくなってしまう。近年、さまざまな高性能ロボットの開発が進む中で、シーンによって硬さが変わるいわば常識破りの材料に関する研究が積極的に行われているのである。

 

■目をつけたのは「歯車」構造

同大学の研究チームはこの「瞬時に硬さを変えることのできる新材料」という難題を解決すべく、さまざまな材料構造について研究を重ねてきた。そこで発見したのが、歯車構造の可能性だ。歯車状の構造を持つ材料に「命令」を出して歯車を回転させることで、材料を硬くしたり柔らかくしたり、さらには変形させたりすることに成功したのだ。

 

歯車にはさまざまな種類が存在するが、試行錯誤の末研究チームがたどり着いたのは「遊星歯車機構」だった。遊星歯車機構は、中心にある歯車(太陽歯車)と外周の内歯車の間で、いくつかの小さな歯車(遊星歯車)がまるで惑星のように公転しながら回る構造を指す。今回開発されたのは、簡単に言えば、柔軟性のある内歯車が外からの力を受けて変形する際に変形の支点となる遊星歯車を回転、移動させることで、内歯車の変形度合いを調節するという仕組みだ。

 

材料は小さな遊星歯車機構の集まりによって構成されていて、各遊星歯車を動かすための太陽歯車は軸を通じて伝動用の歯車に繋がっているため、いくつかの伝動用歯車を動かすだけで硬さを調整することができるのである。また、遊星歯車機構からなる材料は大きな圧力下においても安定を保てるだけでなく、剪断時にも高い剛性が示されたとのことである。

 

■ロボットの脚など、使える用途は限りなく広い

研究チームは歯車構造のスマート材料が持つ幅広い潜在的な用途も提示しており、ロボットでは例えば重い荷物を支えるときには高い硬度を保ち、ジャンプしたり走ったりするときには硬度を下げて衝撃を吸収することのできる脚やアクチュエーターの材料として用いることができるという。新たな時代の新たな技術につながる「歯車」が、まさに動き始めている。

 

 

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