中国ではこれまで新型コロナウイルスの徹底排除を目指し、「ゼロコロナ」と呼ばれる感染予防策を取ってきたが、厳しい外出制限や再三のPCR検査などにより市民の不満が高まり、規制を緩和する動きが見られるようになった。行動の制限から解放されることに市民や喜びを覚える一方で、感染の拡大を懸念する声も出ているという。日常の市民生活を守りつつ、「人の行動を完全に縛る」のではない方法でいかにして感染を抑えていくかが、政府や当局に課せられた大きな課題と言えるだろう。
そこで注目を集めているのが「AOE空気消毒機」と呼ばれる装置だ。体積0.2立方メートルほどの直方体の形状はよく見かける空気清浄機とほとんど変わらない。しかしその仕組みは空気清浄機とはかなり異なるうえ、効率的にウイルスの除去ができるのだという。
カギを握るのは、新たに開発された活性複合粒子発生技術だ。世界先進レベルの技術力によって開発された、空気中の水を原料とする活性複合粒子がさまざまなウイルスや細菌を効果的かつ持続的にやっつけてくれる。水が原料ということもあり、人体にも優しいのだ。
また、通常の空気清浄機がウイルスや細菌を除去する場合、一旦空気を機内に取り込んでフィルターを通すといったプロセスが採用される。このプロセスだと取り込んだ空気のウイルスや細菌の除去しか行われないため必ずしも効率が良くないうえ、ウイルスや細菌を確実に機内に取り込む誘導経路を作るのも難しいといった課題が残る。そこで開発チームが考えたのは、細菌やウイルスが入ってくるのを待つという「受動的」なプロセスではなく、活性複合粒子を放出して細菌やウイルスをやっつけるという「アクティブ」なやり方だった。
空気中の水から生成した活性複合粒子を装置から大量に放出して空間全体に行き渡らせる。すると、活性複合粒子が能動的にウイルス、細菌、真菌をキャッチしてその化学的構造を破壊し、活性を失わせるという仕組みだ。これにより「人から人」「物から人」へのウイルスや細菌の伝播経路を効果的に断ち切ることができるのだ。権威ある機関のテストによれば、このAOE空気消毒機は1秒間に活性複合粒子を10兆個放出することができ、粒子は新型コロナウイルス、A型インフルエンザウイルスをはじめ、10種類以上のウイルス、細菌、真菌を99.99%シャットアウトできるという。
AOE空気消毒機はすでに中国各地で活用され、良好な除菌効果をあげているほか、今年2月の北京冬季五輪・パラリンピック、3月の全国人民代表大会(全人代)でも活躍し、出場者や出席者、スタッフたちの健康を守った。これまで厳しかったコロナの規制が緩和に向かうなか、このような機器が日常的な空間にまで普及することにより、感染拡大食い止めに大きな役割を果たすことが期待される。開発チームのメンバーは「この防疫技術が今後さらに広く用いられることを信じている」と語っている。
(出典:https://news.gmw.cn/2022-11/01/content_36128305.htm)
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