2022年7月16日、SNSを始め、ニュースなどで発信された話題の中で、最も多く出てきたのが『入伏(ルゥー・フゥー)』や『三伏(サン・フゥー/さんぷく)』という言葉。
『三伏』は、一年で最も暑い時期のことで、「初伏(しょふく)」、「中伏(ちゅうふく)」、「末伏(まっぷく)」の3つの時期の総称。『入伏』とは、『三伏』の期間に入ったことを指す。日本では、あまりなじみがない言葉だが、中国には、『冬病夏治(冬の病気を夏に治療)』、即ち冬の病気や症状の予防を夏の一番暑い時期に行うという中医学の考え方があり、この『三伏』の時期に、『三伏貼(サン・フゥー・ティエ)』と呼ばれる湿布?を貼る伝統的な療法が受け継がれている。
夏の風物詩・『三伏貼』
この『三伏貼』は、生薬を配合した軟膏状の湿布で、「初伏(2022年7月16日〜25日の10日間)」、「中伏(2022年7月26日〜8月14日の20日間)」、「末伏(2022年8月15日〜24日の10日間)」のそれぞれ3つの期間に貼る。
『三伏貼』は、主に冷え性、鼻炎、関節痛、気管支炎、喘息、疲れやイライラといった慢性的な体の不調を緩和させるのに効果があると言われている。この『三伏貼』を3〜5年続けて行うことで、体質を改善していくという養生法でもある。
『三伏貼』前の脈診はとても大事なポイント!
実際に、この『三伏貼』を体験してみると、最初に医師の問診があり、舌や手首に3本の指をあてた『脈診(みゃくしん/脈の状態から体の状態を診る)』などから、『三伏貼』をするのに適している状態かどうか、診断を受ける。上海中医薬大学の具紫勇医学博士によると、『三伏貼』は、子どもから大人まで適用するものの、誰でも彼でも『三伏貼』が適しているとは言えず、体質や症状によっては『三伏貼』が適さない人もいるため、病院で専門医の問診をしっかり受けることが必要とのこと。
個人差はあるが、’強い匂いもなく、貼っている違和感を感じない(三伏貼体験)
また、病院で貼る『三伏貼』は、中医の専門家や病院が独自に配合した生薬を使っているので安心。この生薬を使った湿布の匂いに鼻を近づけると、漢方独特の匂い?するが、気になるほど強い匂いではない。
問診後に医師が症状に合わせて、ツボの上に貼っていく。枚数は、症状によるため、人により異なるが、だいたい、1箇所に2〜3枚で、2箇所に貼ることが多いようだ。貼り終えてしばらくすると、貼った部分がじわじわと温かくなってくる。
貼る場所も個々の症状や状態で異なる(写真は貼り方のサンプル)
生薬の配合次第では、高温によるやけどや低温やけどになる恐れもあるので、医師が配合した「三伏貼」を受けることは、トラブルを防ぐ意味でも大切。正しく貼らないと効果が出ないどころか、皮膚トラブルなどが起こることもあるので注意が必要だ。貼っている時間はだいたい2〜3時間。
ただ、『三伏貼』をするだけではなく、この『三伏』期間は、できるだけ冷たい飲食を控えることも中医学における身体ケアの重要なポイントだ。
日本の夏の風物詩・「冷やし中華始めました」ではないが、上海で夏を感じる風物詩として、「『三伏』に入りました。『三伏貼』受付中!」という貼り紙のある病院では、「『三伏貼』をしないと!」という市民の予約が殺到し、一年でも多忙なシーズン?が到来している。
今回、『三伏貼』を受けたのは、上海アメリカンサイノ(上海美華婦児医院)、日本語で親切に対応してくれるので、言葉の心配もなく、安心して問診を受けることができる。また上海市内の他病院でも『三伏貼』を受け付けているところがあるので、まずはお問い合わせを!
上海アメリカンサイノ(上海美華婦児医院):上海市宋園路155号
*事前予約が必要なため、担当者(86-13916278204)に日本語でお問い合わせ下さい。
最寄駅は、地下鉄15号線「呉中路」駅
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