ここ数日、広東省深圳市のとある衣料品店がネットをにぎわせています。この衣料店はごく普通の店舗でしたが、なぜこれほど騒がれているかというと、実はこの衣料品店の店名にその原因があったのです。
ネットを騒がせた、問題の看板
(出典:鳳凰網)
この衣料品店の店名は「ISIS」。そう、過激派組織と同名なのです。そこから「過激派組織と同じ名前?!」とネット上で話題となりました。この店の女性店主は「別に売名行為などでもなく、また最近この名前にしたわけでもないです。2013年開店当初からこの看板なのに、今頃なぜこんなに話題になるの?」と苦悩しています。
ネット市民が注目し、話題になるにつれ、現地公安局も黙認できなくなり、とうとうこの女性店主に事情聴取をするという大事になってしまいました。結果的には過激派組織と無関係であることが分かり、無罪放免となったようですが、このような公安局の対応にまた「これほど大きく過激派組織の看板を取り付けるなんてありえないから、無関係に決まっているだろう。公安や警察の対応はどうなのか」とネット上で揶揄を含めた議論が起こり、更にこの話題が加熱していったようです。
女性店主によると、看板の「ISIS」は中国語の「意思意思(イースイース)」の略(音が似ている)で、過激派組織とは全くの無関係とのこと。ちなみに中国語の「意思意思」は「ほんの気持ち」という意味です。
本来ならば、看板を外せばいいだけの簡単なことだったのに、ネット上で騒がれたことで、なぜか看板を撤去するだけでは、収拾がつかなくなっています。このお店の店員は「お店を開けたら、警察が店長に会いたいと看板のことを言われました。ここにオープンして何年もたっているので、こんなに大事になるなんて。無関係と分かった後も、店長はわずか2時間のあいだに、マスコミや友人・知人などから70~80本ほどの電話を受けていましたよ」と、これほど注目を浴びたことに驚きを隠せない様子でした。
外された看板のあとが痛々しいですね(出典:鳳凰網)
「まさかこんなことに巻き込まれるなんて」と嘆くのは女性店主。警察の巡回時に「この看板はよくないから変えて」と言われても、この看板を掲げてずっと商売をしてきたのに今さら?という思いもあり、また約2万元(約38万円)かけた看板を取り外すことに少なからず抵抗を感じそのまま設置していた女性店主も、公安局の事情聴取後、「これ以上余計な誤解を受けたくない」と自主的に看板を取り外しました。
さて、このお店、これだけ注目を集めて、果たして商売は大丈夫なのか?と聞いたところ、特に大きな影響もなく従来通りとのこと。ただ、今回の件でネット上にプライバシーまでさらけ出されてしまった女性店主は、公安局にネット上の個人情報などを保護し、プライバシーを守ってほしいと訴えているそうです。
参考:http://gz.ifeng.com/fygy/detail_2015_11/27/4600759_0.shtml