中国企業がこのほど、中国のリモートセンシング衛星「吉林1号」を利用した高精細なリモートセンシング地図の開発に成功した。カバー範囲が広く、リアルタイムに近く、解像度や色彩の再現度も高いという特長を持つという。

■108個の衛星データから作成された世界地図

人類が長い歴史の中で作り上げてきた地図の数々は、実際に測量を行った上で描画を行うという非常に骨の折れる作業を経た努力の結晶だった。これに対してリモートセンシング地図は、衛星を利用して宇宙から各種の測定を行い画像化するものであり、地図作成の手間が大いに省けるだけでなく、リアルな地形をそのまま地図として見ることができる。中国企業の長光衛星技術がこのほど発表した高精細リモートセンシング地図「吉林1号地球1枚地図」は、その名の通り同社が2015年以降断続的に打ち上げてきた衛星108個で構成される「吉林1号」衛星コンステレーションを利用したもの。衛星群を使って撮影された画像690万枚から120万枚を選んで合成し、1枚の世界地図を完成させた。

■地図に重要な3つの要素をハイレベルに実現

同社のデータセンター責任者によると「吉林1号地球1枚地図」に使われた画像のうち、分解能が0.5メートルのものが90％以上を占めたほか、2023年に撮影されたものが95％以上を占めており、空間的な分解能、高いカバー率、時間的な精度という地図にとって重要な3つの要素をそれぞれ実現した。「吉林1号」は、現在世界最大のサブメートル級商用リモートセンシング衛星コンステレーションであり、大量の衛星による多重的なデータのインテリジェントな選別、大面積の幾何学補正、見た目の整合性処理などの重要技術の課題を克服し、地図の生成効率と画質を効果的に保証している。

■エネルギーや農業などさまざまな分野への利用に期待

「吉林1号地球1枚地図」によって、世界の新エネルギー産業の発展状況や、農作物の栽培分布、重要な地理的指標の変化状況など多次元的な情報を手に入れることができるようになり、今後エネルギーや農業、水利、地質など多くの分野で重要な役割を発揮することが期待される。

（出典：https://baijiahao.baidu.com/s?id=1809228972099581723）

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