四川省成都市で7月28日、第31回FISUワールドユニバーシティゲームズが開幕する。聞き慣れない名前だが、以前のユニバーシアードだ。もともと2021年開催予定だったが新型コロナの影響で2回延期となり、ようやく今年開催できるようになったこともあり、開幕に向けた準備にも特に気合いが入っているようだ。同大会でもさまざまなハイテクがあらゆるシーンで駆使され、運営の安全性を確保するとともに、省エネや低炭素、生態系保護への貢献も目指す。
大きなイベントの開催に欠かせないのがセキュリティの確保だ。同大会では公安当局がハイテク設備を投入するとともに、ビッグデータなどのITを活用している。その一例が中国兵器装備グループ自動化研究所によるセルフパトロールロボット犬で、人の密集した場所を対象とした多地点監視、自動分析、早期警告・事前判断、動的画像収集などのセキュリ機能を実現する。
また、大会のスムーズな運営を保障するため、都市のインテリジェント交通システムを導入。その1つが、道路の信号を制御して、指定の道路区間で一定の速度で走行することにより常に「青信号」で通行できるようにする「グリーンベルト」のシステムだ。このシステムを100本の道路、総延長およそ100キロに導入することにより、選手は移動時の渋滞に巻き込まれることなく、時間通りに競技会場やトレーニング場に到着できる。
真夏の北半球で開催される同大会にとって大きな問題となるのが、厳しい暑さだ。特に今年は猛暑の傾向にあり、万全の暑さ対策が求められる。選手村の建物は高低差のある地形と中国伝統の建築技術を利用して建物内部に風の流れを作り、冷房を使わなくても快適に過ごせる環境を作った。また、会場の至るところに高圧ミスト噴射装置が設置されており周囲の気温を10℃以上下げることができる。暑さとともに大雨による洪水も夏のイベントにおける大きな懸念の1つ。現地企業が開発した人間と映像技術を融合した通信指揮制御システムを気象サービスの「神経中枢」として、精密な天気予想を行って天候のナビゲーションという側面から円滑な大会運営を支える。
さらに、トーチには聖火をリレーしやすく、消えにくくするための20件以上の特許技術が採用されているほか、フェンシング場、卓球場などの各種競技会場でもあらゆる種類の黒い技術が利用されている。水泳などが行われる新都香城スポーツセンターでは建物の外側に透水性コンクリート舗装を採用、雨水を回収して敷地内の緑化部分の水撒きに利用する。同大会は、成都の科学技術イノベーション力を十分に示す舞台となっている。
(出典:https://sc.cnr.cn/scpd/xwsd/20230620/t20230620_526295073.shtml)
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