石炭や化石燃料の燃焼によって生じる二酸化炭素の排出が世界的な問題となり、代替エネルギーの開発に向けた模索が進む中で大きな期待が寄せられているのが水素エネルギーだ。自動車業界ではトヨタが水素をエネルギーとする燃料電池自動車(FCV)の開発に力を入れており、今年5月には24時間耐久レースにFCVを参戦させて話題を集めた。また、自動車のみならず、街全体が水素エネルギーを活用するスマートシティ実現に向けた取り組みも進んでいる。
中国では新エネルギー自動車として電気自動車(EV)の開発を全面に打ち出しているが、実はFCVの研究開発も着実に進めている。中国の自動車メーカー・海馬汽車は12月10日、世界初となる「太陽光発電―水の電気分解による水素生成―FCV」という、世界初となるゼロ・カーボン新エネルギー自動車産業チェーンを実現する施設を海南省海口市に完成させた。
施設は2500平方メートルで、水の電気分解装置、コンプレッサー、各種圧力による水素貯蔵タンク、水素補給装置、冷却システム、制御システムからなり、太陽光パネルによって生じた電力を用いて水を自動で電気分解して水素を発生させ、これをFCVのエネルギーとして利用する。電気分解装置は1時間に標準状態(0℃、1気圧)換算で50立方メートルの水素が生成する能力を持ち、1日あたりおよそ107キロの「クリーン水素」が生産できる。将来的には1日あたり500キロの水素燃料を注入できる能力を持たせるとのことで、これは毎日100台のFCVの「給気」量に相当するという。
また、施設内に設置する太陽光パネルは5メガワット級で、年間発電量は7000万キロワット時となっている。水素の生成で使い切れない分は送電ネットワークによって通常の電力として利用され、毎年4万世帯分、計6万トンの二酸化炭素排出を抑えることができる。
海馬汽車は2020年に中国初となる充填圧力70MPaの水素を燃料とする多目的タイプ(MPV)のFCVを発表。高効率な電堆と高圧タンクを採用したことで1回の満充填の所要時間はわずか3〜5分で、航続可能距離800キロを実現した。2025年までに約2000台の商用FCVを海南島内の交通機関などに導入する計画だ。また、今回完成した設備を今後島内4か所に増やして、中国の「南国の楽園」を「クリーンエネルギーの楽園」に変えていくという。
(出典:https://www.sohu.com/a/507069089_120157024)
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