新しい技術が誕生すると、既存の技術や事物と組み合わさって新しい発展を生み出す。そしてまた、別の新しい技術、分野とのコラボレーションによっても、大きなブレイクスルーが実現する。
世界のドローン技術をリードする中国企業の大疆(DJI)が先日、「守る者たちへ」をテーマとした新製品発表会を開催した。発表されたのは、「脱炭素社会」の実現に向けて大きな変化を遂げようとしているエネルギー産業向けの全自動ドローン製品だ。エネルギー産業はなんといっても安全第一。安全を確保するためにこれまで多くの人的な労力やコストが費やされてきた。高所での点検など大きな危険を伴う作業を中心に、ドローンの活躍が大いに期待される分野である。
エネルギー業界へのドローン導入で解決すべき問題は主に2つ。作業上の安全と、情報セキュリティだ。今回発表された新商品の経緯M30シリーズはミリ波レーダー、人工視覚による障害物回避システム、RTK(リアルタイムキネマティック)用デュアルアンテナなどの機能を搭載しており、無人機による作業の安全性を確保する。また、画像の暗号化伝送、SDカードのパスワード生成、作業システムのフルネットワーク接続モードなどにより情報の安全性を守る。
また、これまでのドローンによる検査作業は主に手動操作によるもので、画像生成の標準化レベルが低く、AIを用いた大量かつ効果的な故障画像の識別、処理ができないという問題を抱えていた。経緯M30シリーズは巡視検査作業を標準化、自動化したことで、膨大な量の識別、比較可能なデータを蓄積することができ、より高い精度、効率での送電線などエネルギー設備の故障の発見が可能になった。
バックパックの中に入れて持ち運ぶことができるコンパクトサイズでありながら、最長飛行時間41分、秒速15メートルまでの強い風に耐えられるといった高い飛行能力を持つ。さらに、粉塵を防ぎ、いかなる方向からの水の直接噴流に耐えられるIP55防護クラスに対応しているため、過酷な環境の場所が多い巡視検査を問題なくこなすことができる。
経緯M30と組み合わせて使用するのが、タスク管理や情報の収集、処理を一手に引き受けるワンストップ式のドローンタスク管理クラウドプラットフォームの「大疆司空2」と、電源を入れてネットワークに接続し、地面に固定するだけでドローンの全自動離着陸ができるようになるドローンポート「大疆機場」だ。これらの機器、プラットフォームにより、24時間365日の全天候におけるエネルギー設備の各種点検作業が実現する。
無人で自動的にあらゆる場所に飛んで行くことのできるドローンはさまざまな可能性を秘めている。今後も、エネルギー分野を始めとするありとあらゆる分野で活躍することだろう。
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