中国の新疆ウイグル自治区で、1700億元(約36兆円)を投じた石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー統合イノベーション基地の建設が始まった。2027年末の完成、稼働開始を目指す。
■資源豊富な新疆・ハミ地区にできる巨大エネルギー拠点
8日に着工したのは、国家能源集団ハミエネルギー統合イノベーション基地。石油、石炭、風力、太陽光資源が豊富な現地の強みを生かし「石炭・石油・天然ガス・科学・発熱・電力・新エネルギー」を一体化したエネルギー運用モデルを構築するとともに、国の石炭液化・ガス化戦略基地を作る。年産1500万トンの露天炭鉱が付帯しており、石炭のクリーンかつ効率的な利用施設と、関連の新エネルギー発電施設も建設する。
■化石燃料・新エネ発電から、化学工業製品生産まで
建設プロジェクトは2期に分かれており、第1期は炭鉱、石炭液化施設、風力・太陽光発電施設を建設する。第2期はパラキシレン(PX)、ポリグリコール酸(PGA)などの化学工業製品の生産設備を建設する。PXは紡績原料として用いられ、同時地区の紡織産業との融合が期待され、PGAは生分解性プラスチックとして生活用品や農業用フィルムなど幅広い分野で利用可能だ。
■中国独自開発の新型石炭液化技術
また、プロジェクトに含まれる石炭液化設備は、中国が独自に開発した第2世代の直接液化技術を採用する。完成すると直接液化生産ラインが年間320万トン、間接液化生産ラインが80万トンの計400万トンの生産能力が確保でき、中国国内最大の石炭液化生産拠点となる。石炭の直接液化分野で中国が長きにわたり世界をリードしており、2008年には世界初の100万トン級直接液化プラントが内モンゴル自治区に建設され稼働を開始した。その後フローの最適化や設備の改良を経て第2世代の直接液化技術が確立され、今回のプロジェクトで採用されるに至った。
国家能源集団の関係者によると、27年に完成して稼働が開始すると、5500人分の直接雇用、3万人分近い間接雇用が創出され、年間の工業生産額は314億元(約6600億円)に達して、周辺地域の産業インキュベーション力の大幅な向上につながるという。
(出典:https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_28963716、https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_28971629)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「新疆で36兆円投じたエネルギー統合基地着工、中国独自の最新石炭液化設備も」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。