中国上海市にある復旦大学は7月8日、高分子科学学部・ポリマー分子工学国家重点実験室の魏大程研究員率いる研究チームが、フォトリソグラフィーを用いてフルフレームイメージセンサーのチップ上に2700万個の有機トランジスタを集積し、相互接続する機能性フォトレジストを設計し、その集積度が超大規模レベルに達したことを明らかにした。この成果はNature Nanotechnology誌の最新号に掲載された。
■高感度の光検出機能を実現
魏氏らが開発した機能性フォトレジストは、センシング・レセプターを追加することにより、さまざまなセンシング機能を持つようになる。高感度の光検出機能を実現するため、光起電力効果を持つコアシェル構造ナノ粒子をフォトレジスト材料に担持させた。光を照射すると光起電力ナノ粒子は光生成キャリアを作り、電子がコアに捕獲されてその場でグレーティング変調が生じることで、デバイスの応答性が飛躍的に向上する。
■フルフレームチップに有機トランジスタ2700万個分の集積度
フォトリソグラフィーによって作製された有機トランジスタ配線アレイは4500×6000の画素を含み、集積密度は3.1×106ユニット/平方センチに達する。これは、フルフレームサイズのチップ上に2700万個のデバイスが集積されることを意味する。また、その光学応答性は6.8×106アンペア/ワットに達し、高密度アレイはフレキシブル基板に転写できることから、人工網膜への応用も可能になる。
■幅広い応用の可能性、シリコンチップの利用価値向上も
研究チームは、化学センシング機能と生体電気センシング機能を持つフォトレジストも開発。今回の研究成果では機能性フォトレジストの構造設計戦略が提起され、高集積有機チップ分野の発展が促進されることが期待される。この技術は、商業用マイクロエレクトロニクスの製造プロセスとの互換性が高く、幅広い応用が期待できる。
魏氏は「できるだけ早く実用化を実現すべく、協力相手を積極的に探している。将来的には、この材料を使って高集積フレキシブルチップを製造できるようになる。また、シリコンベースチップと統合可能な高い互換性を持っており、シリコンベースチップの応用範囲をさらに広げる可能性も秘めている」と語っている。
(出典:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1804060273915112221)
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