トリプル台風が発生した今週。そのうちのひとつ9号の「蘇拉(スーラ)」が台湾南部に影響を与える事が懸念されている。台湾、日本の夏休みシーズンは既に終了しているが、まだまだ各地の観光地が賑わっているようだ。
今回は台湾南部にある「台南(タイナン)」にある、ちょっと変わった名物店と、その名物お父さんについてご紹介しよう。
横断歩道を渡った先には日本語の看板が目立つ店舗が
台南の名物お父さんことマルヤンさん
馬路楊檳榔會社(マルヤンビンランフイシャ)を営む男性 マルヤンさんは知る人ぞ知る、台南の名物お父さんなのだ。メガネと髭がトレードマークのマルヤンさんは「OK牧場」や「よく言われます」など、明らかに日本人の来客から教わったであろう日本語を突然話し出すユニークな男性だ。
檳榔やタバコ、酒類を販売し店を経営している。マルヤンさんが2代目で、店は父親から引き継いだものだそう。
丁寧に檳榔を作るマルヤンさん
檳榔とは椰子科の植物で、その加工品が主に台湾人の男性労働者を中心に愛用されており、齧ると気持ちが落ち着いたりハイになったりと、合法で楽しめる嗜好品だ。全ての日本人が檳榔を求めて店を訪れるのではなく、まさにマルヤンさんの人柄に惚れ込んで台南に来るたびに彼を訪れているのだ。また、台南に詳しいマルヤンさんは日本人の為の観光案内所としての役目も果たしている。
とても明るいマルヤンさん。
店にはノートが置かれており、初めて来た日本人がそこにメッセージを書くしくみになっている。彼を訪れた日本人はリピーターも含めてなんと5千人にものぼる。
作家、タレントとして活躍する一青妙さんの出版物「わたしの台南―「ほんとうの台湾」に出会う旅―」で紹介された事がきっかけで、世に知られるようになり、本人のユニークなキャラクターから多くの日本人が訪れるようになったのだ。
多くの日本人がこの店でマルヤンさんとの交流を楽しんでおり、店には日本人からであろうお土産品も並び、いかに彼が愛されているのかよく分かる。
働き者のマルヤンさんは独りで3人の息子さんを育てた大変な努力家だ。休みは全くなく、ほぼ毎日店に座りビンロウを作り続ける。本人曰く「2代にわたって貧乏」なのだ。そんな苦しい状況の中でも訪れる日本人にはとても親切に接し、道を教えてあげたりと、日本と台湾の友好関係に大いに貢献しているのだ。
愛煙家のマルヤンさんが美味しいと絶賛の日本のタバコ。
台南旅行の際にはぜひ訪れてみよう、またひとつの楽しい思い出ができる事間違いなしだ。マルヤンさんはビンロウを作り続けて資金を貯め、店の近くに民宿の開業を予定しているとのこと、完成がとても楽しみだ。
【店舗情報】
馬路楊檳榔會社
台南市中西區民族路三段136號
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