スマートフォンメーカーとして身を起こし、その後「米家」というブランドでテレビ、炊飯器やノンフライヤー、体重計、空気清浄機、電動歯ブラシなどありとあらゆる家電製品の「スマート化」に取り組んで今やすっかり中国を代表するIoT家電メーカーとなった小米(シャオミ)。これまで発売してきた製品は必要十分な性能とシンプルなデザインで多くの支持者を集めてきた。大きなもの、豪勢なもの、派手なものをこよなく愛するとされてきた時代はすでに過去のものになりつつあり、中国の消費者が使いやすさや質の高さを求めるようになったことの表れと言えるだろう。
そんな小米の製品ラインナップにまた一つ、新たな仲間が加わることになった。同社は3月8日に新製品の「スマートピアノライト」を発表した。その名の通り、ピアノの練習をメインの用途として作られたライトであり、メーカー希望小売価格は999元(約2万円)、クラウドファンディング価格が699元(約1万4000円)となっている。ピアノと調和した漆黒のカラーで、極力主張を避けたコンパクトでシンプルなデザインは小米の真骨頂とも言える。
照明にはLEDライトを採用しており、平均演色評価数(Ra)は100点満点中95で、生物学的障害を引き起こさないと定義される「リスクグループ0(RG0、免除)」の認証を取得するなど目の健康に配慮した明かりになっている。また、楽譜立ての部分だけではなく、最大88鍵のピアノ鍵盤全てをカバーする広範囲照射が可能だ。さらに、非対称TIRレンズが光の当たり具合を調節して、ムラのない明るさを実現しているほか、集中したい時には5000Kの昼白色、目の負担を軽減したい時には4000Kの白色という2つの色温度モードを備えているのも特徴だ。
そして「スマート」と称される所以でもある機能的な部分についてはまず、高精度レーダーセンサーによって着座すると自動でON、離れると自動でOFFとなるシステムを備えている。自動でOFFになるまでの時間はアプリで自由に設定できる。また、レーダーセンサーはピアノの前にいる人物が演奏をしているかもチェック。演奏する動きが確認できた時間を「演奏時間」として小米のスマート家電総合アプリ「米家APP」上に表示する。子どもがどれだけピアノの練習をしたか、そしてサボらずにちゃんと練習しているかを確認できるという、常に練習をする子どもの側についていてあげられない親にとってはありがたい機能である。
このほか、いかにもピアノ専用のライトらしい機能としてメトロノームがついている。3拍子、4拍子など6種類の拍子が選べるほか、テンポ設定も自由にできる。独立した操作用リモコンがついているので、いちいち立つことなく手元で拍子やテンポを変えることができる。
ある統計によれば、中国のピアノ保有台数は2016年の612万台から21年には864万台と5年で40%近く増加したという。新規購入台数は20年の新型コロナで一旦減少したものの、21年には再び増加に転じていることから今後も安定的にピアノの需要は高まるものと見られる。照明器具としては必ずしも安い値段とは言えないが、そもそもピアノが買える家庭であることを考えれば決して高い買い物ではないだろう。
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「中国IoT家電の雄・シャオミ、ある用途に特化した新たなスマート照明を発売」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。