中国重慶市にある研究機関がこのほど、太陽光エネルギーと水素エネルギーのハイブリッド動力によるドローンの開発に成功し、初飛行を実現した。太陽光と水素のハイブリッド動力システムを持つドローンは中国初で、ドローンの航続能力と環境保護能力を大きく高めることにつながる。
■太陽光と水素のハイブリッドシステム
ハルビン工業大学重慶研究院のドローンチームが開発したドローンは、独自開発の太陽光発電圧力適応型ダイレクトドライブシステムと、太陽光・水素エネルギーハイブリッドシステムを搭載。大型長スパン空力形状、一体型の軽量炭素繊維機体、前後二重プロペラによる同軸駆動システム、革新的な水素動力電気推進ポッドを採用しており、コンパクトな機体構造と付属部品のシンプルさを実現した。
■昼夜や天候問わず長時間の飛行が可能に
そして、太陽光と水素という2つのクリーンエネルギーによるハイブリッドシステムについて、開発チームは自前のエネルギー管理システムを通じて出力の精密な制御に成功。太陽光エネルギーを優先的に出力し、不足した場合に水素エネルギーを電力に変換して補うことで十分な動力性能と操縦性を確保するとともに、長い航続時間と高い環境適応性を供えるに至った。チームの責任者によると、晴れた昼間には太陽光を使って充電し、夜や曇りの時は水素エネルギーで動力を維持するため昼夜や天気を問わず長時間飛行でき、電線の巡回検査や森林保護、河川の監視、電波信号の中継、環境保護などさまざな分野で作業効率を大幅に向上させることができるという。電池切れによる交代の回数が減ることで、手間もコストも節約が可能だ。
■非常に高い市場潜在性
太陽光と水素のハイブリッド式ドローンは、環境保護の取り組みがますます強まる中で明らかな優位性を持っている。世界の企業の多くは既存のドローンでは今後の市場ニーズを満たすことが難しいと認識しており、クリーンエネルギーを十分に利用しかつ低コストなドローンに対するニーズが日増しに高まっている。そんな中で、同研究院が開発したドローンのマーケットは非常に大きいと言える。
■水素の安定・安全供給など課題も
さまざまな優位性を持つ一方で、普及に向けては課題もある。例えば、水素エネルギーの安全な貯蔵と輸送の問題だ。また、水素ガスの生産から貯蔵と輸送に至るまでの産業チェーンの体系的かつ計画的な構築と技術サポートも必要になる。とはいえ、長期的な目で見れば太陽光と水素のハイブリッドドローンは技術革新であるとともに、持続可能な発展を推進する大きな一歩であることは間違いない。技術の進歩と市場ニーズの高まりに伴って、今後さまざまな分野で広く活用されることになるだろう。
(出典:https://www.heieexpo.com/shouye/645.html)
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