普段からロケの仕事が多い私ですが、常に予定表通りに進むわけではありません。クライアントの急な要望に応えるのもコーディネーターの仕事です。そのため、日本から進出してきたお店、イベントなどにもアンテナを張り、さまざまな話題が提供できるようにしておくのも私の大切な仕事の一つです。
さて、過去に中国で人気を博した日本のドラマ「深夜食堂」があります。このドラマは、のちに中国版もリメイクされましたが、実は中国版、あまりよい評価を獲得しなかったようです。
しかし、シンプルなデザインの雑貨や衣料品販売から飲食業界にも進出した日本の「無印食堂」は頑張っています。
今回はこの無印食堂にスポットを当てて、レポートさせていただこうと思います。
生活雑貨店『無印良品』ブランドを展開する(株)良品計画は、1991年から海外進出を展開し、その後中国でも続々と店舗がオープンしました。現地ではシンプルで高品質を好む若者や中間層から人気を得て、中高級ブランドとして認知されました。
無印餐堂(食堂)文字は控えめだが、看板面積は大きい(2017年撮影)
漢字2文字で揃えた「自然、当然、無印」のキャッチコピー(2019年撮影)
そんな無印良品が展開する「無印食堂」は、料理の種類は多くないものの、素材を生かした味付けで、ヘルシーです。
高級な輸入食材などは使っていないシンプルな料理ですが、ただ素材のよさからか価格はちょっと高めです。
素材の味を大切にする、健康志向のポスター(2017年撮影)
ファミリーマートのお弁当が20元(約320円)くらいの上海では、無印食堂の1食(ドリンクを含んだ3品で)最低でも58元(約930円)という設定は、一般人が毎日食べる価格設定とはちょっと差があります。5品78元(約1,250円)の食事もありますので、こちらの方が、お得かもしれませんね。
「笑」「種」などは日本同様、席取りのためのカード(2019年撮影)
値段をふまえると、個人的には一般の中国人向けというより、駐在している日本人ビジネスマン向けのようにも感じます。しかし、オシャレカップルや、経済的に余裕のある夫婦などの利用率は高そうです。
新鮮食材を厳選してPRし、シンプルで豊かな生活をイメージに掲げる無印食堂は、根強いファンもいるものの、今後中国の消費者にどのようにアピールしていくのか、引き続き見守っていきたいと思います。(フライメディア・ソン)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービスをご提供している会社です。
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