
2024年に香港で公開され、日本でも今年1月の封切りから半月ほどで興行収入1億円を超えるヒットを記録した香港のアクション映画「九龍城寨之囲城(トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)のセットを再現した展示イベントが、映画の舞台となった九龍城砦の跡地で始まった。

■「トワイライト・ウォリアーズ」とは
「トワイライト・ウォリアーズ」は1980年代の香港・九龍城砦の住人と裏社会との権力抗争を描いたアクション映画で、香港エンタメ界をリードしてきた古天楽(ルイス・クー)、香港アクション映画界の大御所・洪金宝(サモ・ハン・キンポー)が出演したことでも話題を集めた。香港で昨年5月に公開されて興行収入が1億香港ドルを超え、香港映画歴代1位の観客動員数を記録した。また、今年4月末に発表された香港映画のアカデミー賞と言われる「香港電影金像賞」では作品賞など9冠に輝いた。

■日本でもスマッシュヒット
日本でも今年1月17日から公開されており、かつての混沌に満ちた香港へのノスタルジーや、香港映画ならではのアクションストーリーがSNSで話題となり、香港映画として久々のヒットを記録。公開から20日の2月5日に早くも興行収入が1億円を突破した。すでに続編や前日譚などの作品制作も決まっているということで、今後も「九龍」ブームは続きそうだ。
■名場面や象徴的な風景を1:1スケールで完全再現
人気作とあってこれまでも香港の空港や商業施設で同作の展示イベントが行われてきたが、この度始まった第3弾の展示イベントはさらにスケールアップ。映画の舞台となった九龍城砦があった九龍城寨公園で、作品の世界を1:1スケールで忠実に再現されており、一度足を踏み入れると1980年代の九龍城にタイムスリップしたかのような没入体験ができる。

展示セットは映画の制作チームが自ら手掛けたもので、8つのシーンを再現した部屋に分かれている。作品中で重要なターニングポイントとなる九龍の伝統行事「盂蘭盆会」、昔ながらの駄菓子店、主人公が最初に働いていた練り物工場、作品には登場していないものの当時の城寨を象徴する存在だったという無許可営業の歯科診療所、作品中の名シーンが繰り広げられた理髪店、主人公が最初に住んでいた飲食店、電線が網の目のように張り巡らされた狭い路地と商店街、「世界一危険な空港」と呼ばれた啓徳空港付近で飛行機が頭上を通過する体験ができる屋上からなり、作品を見た人が思わずニヤリとするような小物や仕掛けもふんだんに盛り込まれているという。






入場は無料だが、混雑を避けるため現地で整理券が配布される。8月までは午前9時から午後7時まで、9月以降は午後6時までの営業。2028年ごろまで展示が行われるという。映画のファンはもちろんのこと、古き良き香港のノスタルジーに浸りたいという人もきっと満足することだろう。