5月30日、中国の地方紙『華西都市報』によると、四川省に「断崖絶壁の村」と呼ばれる村が存在し、子どもたちは断崖絶壁に架けられた梯子を使い通学しているという。
「断崖絶壁の村」と呼ばれるのは、四川省涼山イ族自治州にある阿土勒爾村。大渓谷の絶壁の上に位置し、標高は約1400メートル、地上からの垂直距離は約800メートル。封鎖的な土地のため、一度は桃源郷となり、自給自足の生活で、戦争とも無縁だった。しかし、それゆえに情報も入ってこず、外の世界から取り残されてしまった。
阿土勒爾村から一番近い小学校「勒爾小学校」は、絶壁の下に位置する。距離にして、わずか4キロメートルだが、途中、218段もある「天の梯子道」を通る。下山は1時間程度、登りは90分程度だが、村人以外は2倍近いの時間がかかる。この他にも通学路は2通りあるが、ひとつは季節により危険を伴ったり、もうひとつは、全長18キロメートルで遠回りしなくてはならないので、皆、「天の梯子道」を選択する。
「天の梯子道」はいつできたのか?それは、今年53歳の村人も分からず、おそらく「祖先たちが道なき道を行くうちにできたのだろう」という。この20年間で、変わったところは、木の梯子が鉄の梯子になったくらいだ。
子どもたちは、このような地理的理由から、10日間続けて授業があり、その間、学校の宿舎で生活し、その後、4日間休みとなり、家に帰るというサイクルになっている。また、梯子で通学する際には、保護者が必ず送迎をすることが決まりとなっている。
2009年以降、死亡事故は起きていないというが、通行手段が改善される見込みもなく、命がけの通学はこれからも続きそうだ。
参考:
http://cn.chinagate.cn/news/2016-05/30/content_38561296.htm
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