高層ビルや高層マンションで火災や地震が発生したらどう避難するか?万国共通して頭を悩ませる大きな課題です。自分が高層階に住んでいるため、いざというときの家族の安全を考えて「高層階高速避難用滑り台」を開発した人が注目を浴びています。
実際に体験!滑り心地はでどう?(出典:澎湃新聞網)
この避難用の滑り台を発明したのは70歳になる周妙栄さん。自分たちが35階という高層階に住んでいて、日ごろ災害時の避難方法に不安を感じていたとか。「高層階での災害時の避難方法や器具はたいてい外側からの避難を考えて設計されているものが多いが、実際避難者の90%以上が階段を利用する選択をしている」と階段を活用する方法を開発した周さん。
通常はこうして(出典:澎湃新聞網)
この滑り台はステンレスやジュラルミンを材料としていて、幅は約50cm。普段は片側にまとめておくことができるので、階段の使用にも邪魔にならないそうです。災害が起こったとき、各階にある起動装置を作動させるだけで自動的に滑り台になるのがポイント。各階の踊り場に設置された棚から保護用の座布団も準備され、安全に滑り降りる工夫がされています。
周さんは「直線で滑ってきた加速はカーブで減速することはあっても止まらないので、各階をわずか2、3秒で滑り降りることができます」と、避難用滑り台の効果に太鼓判をおします。およそ1分半のわずかな時間で、26階から地上に到着でき、百名近い人が避難できるとも。
この避難用滑り台を体験した記者によれば、周さんが宣言した通り、1階を2、3秒で滑り降り、「滑り心地は悪くない」。上海市の長寧区にある某高層マンションにこのほど、この避難用滑り台が設置されたそうです。
ただ、災害時に避難する人が多いとき、この滑り台が渋滞しないか、落ち着いて効果的に使用できるか、避難者のマナーがやや心配です。ハード面だけでなく、「避難訓練」などで日頃の意識を高めていくことも必要かもしれませんね。
参考:http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1447820
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